驚きの良店にたどり着きました。またもやいつも通り当てずっぽうでなんとなく迷い込んだんですけどね。ここは本当に良かったなあ。好きだなあ。
カレーですよ。
地域的には北本トマトカレー地区である埼玉伊那羽貫あたり。顔を知ったご担当が観光、販促をやってらっしゃったので、北本トマトカレーとかメニューにあればいいなあ、と思いつつ駐車場に車を止めました。さあ、お店の中へ。
お、なんか結構お客さん入ってるなあ。商店街とか駅前とかじゃなく、それほど周りにいろいろある感じじゃないんですけど店内にお客さんが多い。みなさん黙って食べてらっしゃるので安心です。
さて、まずやられたのがメニュー。かなり面白そうなメニューがあるんです。その中に期間限定の
「ビーフカレー」
があるよ。飛びつきました。
前提として日本人の店主がインドカレー的なメニューを展開しているお店なんですよね。ポークビンダルーなども推してて、色々な意味で期待が持てます。
日本人が作るインドカレー好きなんだよねえ。そこにビーフカレーがくるわけです。いい、いいな。とても期待しちゃうわけです。
でもそれだけだったらランチの「合い盛りカレープレート」を頼んだと思うんですよ。いろいろ種類を食べるのが好きだからね。欲張りできる方を選ぶんですけど。
ではなぜビーフ注文なのか。
それがこのメニューPOPなのですよ。
これ、つまり、「牛への扉」な訳ですよね。これにはまいった。牛好き、いや、猫好きにはたまりません。牛だけど。
わかりづらいよね。わからない貴兄は今すぐロバート・A・ハインラインを読むべきです。こんなの見せられたら、しかも新訳版ではない方の文庫本の表紙をこんなでやられたらネコ好きは飛びつくよね、牛だけど。わからない人はそれでいい、いいんです。だいじょーぶ。とにかくうまいからいいの。
まずサンバルがやってきて驚かされます。あらら、サンバルが食前スープでで出るの?そしてこのサンバルがちゃんとしているんだ。きちんとサンバルとして成り立っており、香りよくちょうどいい酸味で。ああ、これはいいなあ。おいしいなあ。芽キャベツの甘味が効果的で舌と胃袋グッとつかまれます。
しばらくしてカレーがやってきました。
イメージは、マトンを使うところをビーフで合わせて細かいチューニングを施したよい感じのマサラというところかな。タマネギ焙煎ブラウンのグレイヴィはビーフの旨味からやってくるコクが深く、ちゃんとお肉を楽しめるだけのたくさんのビーフが入るのも素晴らしい、とても満足感高いもの。このビーフカレーとサンバルをちょいと白メシの上で混ぜてやるとこれが実に美しくバランスするのだよ。ああ、しあわせだ。
別で頼んだ「ゆで卵のアチャール」は程よい半熟。かなりいいですこれ。プレゼンテーション含めて一品料理でも通用するこれが、なんと200円とは恐れ入ります。甘いチャツネと合わせると天国なのですよ。
そうそう、添えられたいくつかのアイテムの中には甘いフルーツチャツネと同じく甘くて赤い福神漬けがありました。こういうのがあるから日本人シェフのインドカレーが好きなんだよね。センスオブワンダーだなあ。いや、SFに引っ掛けたわけじゃなくて。
これがインド風カレーに妙に合うんだ。それがとても楽しいんです。タマネギのアチャールも酸味が爽やかで良い着地点。
ごはんの上にはカスリメティとカードチリ。カードチリが大変風味豊かできちんとしょっぱくてとてもいいね。御店主は勉強熱心なのだと伝わってきます。
お店のPOPに可愛いキャラクターを使っていたり、メニューの文言やその他もろもろ、ちゃんと店主の世界観が見えてとても心地よく感じます。カルチャーの部分が見え隠れするのが楽しいなあ。なによりご店主がとてもにこやかで感じが良く、こちらも気持ちが穏やかになりますよ。
とにかく伝えたかったのは一言だけ。
「そしてもちろん、ぼくはビーフの肩を持つ。」