月尾根自然の森キャンプ場 ひとりで山の中でお茶を入れる話し。

キャンプというのとは違うと思います。デイキャンプという呼び方も違和感がある。実は、テントを張ったり薪を割ったりは性に合わないのかもしれないなんてことを考えることもあるのです。

 

ちょっと外で自分で淹れたお茶を飲む。それくらいの程度が好きでよくクルマで山道に出かけてゆきます。そのためだけではまったくないのですけどね、そういう小さい「やること」をお楽しみの一つに入れておくと外に出るモチベーションが上がるというもの。クルマをずっと運転しているのが好きで、人がいない場所が好きで。そういうところがあるのでちっともクルマから降りないわたしなんです。アクセルからちっとも足をおろさない。だからクルマを降りる口実を作ってやるのがいいと思っているんです。

いつものように山中の道端ではなく、珍しくキャンプ場に足を運ぶこととなったんです。

いつもは道志村界隈か富士五湖まで足を伸ばすことが多いです。自分だけが気に入っている山の中の道端なんてのがいくつもあってね。千葉方面はまだそれほどそういう場所を見つけていなくて、ちょっと物足りていないんですが、少しそういう場所を作りにも行きたいですねえ。都内下町はどちらかというと千葉寄りですから。

 

それで、そういうなにかぼんやりしたなかで創作物を絞り出すのにいい場所はないか、もうちょっと近場はどこかないかといつでも思っています。でもなんだかついつい行き慣れた場所にハンドルが向くのも事実。

この日はいつも行く場所ではないそういうところを探してみようという気持ちが少々あったので、相模湖から大月の辺りを20号線を寄り道しながらうろうろとしていました。道端の小さな古い看板を見つけて入って行ったのが、

 

「月尾根自然の森キャンプ場」

 

でした。

 

月尾根自然の森キャンプ場はなかなか朴訥としたなにもないのが魅力の良い場所でありました。

キャンプ場への進入路、道幅が大変に狭いんですよ。しかも突然の両脇崖の細い細い尾根道で、たとえばランドクルーザーであれば尾根を跨いで両輪が崖の外、スタックしてしまうんじゃないかな。大袈裟に書きましたがそれくらいなんじゃないかと思わせる狭さです。

管理室とか事務所がなくてうろうろとしていたら管理の男性がスクーターでやってきました。

感じのいい方で、簡単なサイト内の説明をしてくれて、蛇口からの水は湧き水であることを教えてくれます。ああ、湧水嬉しいな。おいしいお茶になるといいな。テントを張らず、夕方帰る旨を伝える。これで、800円也。

テントはふた張りしか見えず、人の気配薄く、快適です。

昼着、朝からなにも食べずであったので買っておいたサンマご飯のお弁当をさっさと沸かした湯で味噌汁を作って掻き込みます。落ち着いたところでこの日試してみたかった、新調したばかりのCB缶燃料のストーブを試してみたり、このあいだ届いたユニクロのホワイトマウンテリアニングのフリースの上着を着てみたり。その間にどんどんお茶を沸かしては、飲みます。気が向いて中央道に乗る手前のオーケーストアで買った野菜をさらにどっさりと出して食べてみたり。

どれもこれもやっている事はなにということがない行動なんですけどね。

それを森の中でやるのは、とても楽しいものなのです。