なんだかんだのそうこうしているうちに行こうと思っていたお店は移転となっていたのです。
カレーですよ。
例によってGoogleMapに連れて行ってもらったんですが、指し示している位置が記憶と違うんですよ。ははあ、これ、誰も指摘改善してないな、とい思いながら後でわたしが、なんて考えつつ元あった場所に行ってみるとお店がない。うむうむ、首を傾げながら地図通りに行ってみれば、果たしてパワーアップした、
「Tokyo MithaiWala」
発見とあいなったわけです。あらま、アップデートしてなかったのはわたしの方か!誰よりも、いや、少なくともわたしよりもGoogleが正しいのだよね、この世界では。わかってたけど。
さて、「Tokyo MithaiWala」は、スイーツショップです。で、あるんですが、軽食も摂ることができるんです。よくあるインドレストランのAセットとかそんな名前で呼ばれているいわゆるインドカレーの定食は、ありません。
その代わりに現地のストリートフード、ファストフードのモダンなやつが出てくるという洒落たやり方。とにかくモダンで洒落てます。
10年ほど前から口を酸っぱくしていっているんですけど、あのブルーオーシャンになんで飛び込まないんだ、という話し。
インドスイーツやアジアスイーツ、ものすごく盛り上がっているし、事実タピオカなんかが大流行りになったりしてるじゃないですか。なのにどうにもインド周辺国スイーツやタイスイーツなんかに特化して言及したりするひとがあまりにも少ない。早くやらないと流行の上流に立って大儲けできないぞ、と感じています。はぴいさんがやれば?いやいや、しょっぱいもんが好きなんで。
まあそれはさておき。
「Tokyo MithaiWala」、1階はミターイの名の通りスイーツショップです。ただし「インドの」スイーツ。ラスグッラ、グラブジャムーン、マイソールパクにジャレビー、ラスマライ、バルフィーはピスタバルフィにカジュバルフィなんて数種類から選べたり。いやいやこれは夢のようだなあ。インドの繁華街の街角にある「ベンガルスイーツコーナー」とかああいうお店が日本の東京にあるわけですよ。なんという不思議な時代になったのだろう。
しかもこの上品で美しい店内。有名パティシエのスイーツショップと引けを取らないものがあります。いろいろすごい。
そんな売り場に驚きつつ2階へ上がります。
そう、客席がないなあ、と思ったら2階があるんだ。前のお店は小さなスペースで食べる感じだったのでもう一度驚きました。こういう内容で移転するということは、それだけこの街にそういうニーズがあるということだよね。いやはや流石の西葛西。
さて、メニューも面白かった。
ゴールガッパにダヒプリ、セブプリとストリートフードが並びます。サモサチャットにチョーレー合わせのセット、ああ、大好きなアルティッキもあるじゃないか。これ女の人が好きだよねえ(インドの)。チャット大会だなこりゃ。あ、違うんです。メッセンジャーのことではなくてね。おつまみや軽食の意味です、チャット。
そしてチャットの括りと別にボンベイという項目があって、パオバジとワダパオなんてのもありました。スイーツには非常に狭い界隈で話題となっているインドパフェと意訳されるファルーダクルフィまでラインナップされているではありませんか。まったくまいったねえ。
まいったけど小腹が空いたので、
「パオバジ」
を注文してみました。
ムンバイ名物の、日本人的にいうとマッシュポテト的なものをカレーっぽい味にしたペースト風をパンにつけて食べるやつ、です。
これがまた感激で、ちゃんとあのパンなのだよ。あの頼りない感じの、でもこれでなくちゃねのインドのパン。ふわふわでちょいあまで、それを少しトーストしてある。絶妙だぞこれ。ほんとうにおいしいんです。こんないいのが食べられるのか。
紫玉ねぎのカットを混ぜてやってレモンを絞るとまたよくてね。これはおいしい。
軽食なのでボリュームは少なめ、これでいいんです。これだとスイーツまで辿り着けるわけですよ。
インドレストランに行ってなかなかデザートまで辿り着けないのはそのボリュームのせいなのです。
これにチャイを頼んだんですが、このチャイの器がまたいいの。これ、欲しい。アジアハンターに売ってないのかな?小林社長!最近アジアハンターECサイト見てないから確認せねば。
これ、セラミックでちゃんと釉薬をぬって焼いてあって食器として成立しています。この形、昔インドを旅した人はすぐにピンとくるはずだ。今では紙コップに変わってしまった、ストリートのチャーエーワーラーからチャーエーを買うときに注がれるあの土を捻って乾かしただけのうつわ。あれの形を模しているんだよね。
ノスタルジーを求めるのは成熟した文化があるからに相違ないでしょう。
そういうところを間違えてはいけないんです。インドは今そういうシフト。
とにかく楽しめるモダンなファストフードショップ。ファストフードと言ってもやすっぽくない。それがいいお店です。近所に住む、インド料理やインド文化を解せない高校生やOLの女性たちがここを使うようになったら本物だよね。すぐそうなるよ。