カレー業界の人、レトルトカレーが好きな人なら毎度ご存じの浅草合羽橋のご当地レトルトカレー専門店「カレーランド」。猪俣夫妻が開発にも関わったすごいカレーがこれ。ちょっと驚いたんです。
カレーですよ。
まず、ハンバーグカレーなわけですが、ハンバーグカレーを袋に詰めようという発想はそうないと思うんだよ。いや、できないことはないだろうね、最近なら。やってやろうという輩も出てくるでありましょう。でもね、必ず壁に当たります。
レトルトパウチ食品、大型の具材を詰めるのはその工程が可能な工場も限られるし、当然コストも上がるわけです。それを乗り越えるのはちょいと大変なのですよ。思いあっても挫折した人は多いと思う。それなりのルートと知識が必要になるんですよね。ノウハウ、積み重ね、大事です。
そういう内幕の話しは置いておいて、肝心のブツですが。その名を、
「特選松坂牛ハンバーグカレー」
といいます。特選松坂牛というマクラだけですでに茶碗一杯ごはんが食べられるな。
具材の大きさはレトルトパウチパックの手応えからもわかっていたので念入りに温めます。具材大きいレトルトパウチ食品はちゃんと箱の説明書きをよく読んでから温めようね。
封を切って皿にあけ、まず口を突いて出た言葉は「なんなんだこれは」というひとこと。大きい。ハンバーグが大きいのよ。イシイのチキンハンバーグの倍の厚さだこれは(例えはアレか)。きちんと立派な、単体として成立しうるサイズのハンバーグが袋から滑り出る。すげえなあ。
しかも、ね。
さっそくハンバーグにスプーンを入れます。断面が見えるね。
え、なにこれ袋から出てきたハンバーグの断面の色がこれかよ!単純になぜだと呟いてしまいます。なぜこんなすごいものが袋詰めに。しかもカレーに浸かって、、、なんということだ。
ハンバーグ、きめ細かに挽いた挽肉の旨味が素晴らしいものでした。重たくならない脂分もバランスに秀でていて凄みを感じます。ちょっとこれは鬼気迫るものがあるなあ。
よくまあこのハンバーグを袋に詰めたものだよ。しかもこのサイズ。圧倒されるよこれは。
カレーソースは欧風仕立て。高級洋食店のそれをベンチマークにした感ある深み、コクと少しの辛さでバランスがいいものでした。あの素晴らしいハンバーグに見合うカレーソースとしてきちんと完成していると感じます。正直カレーソースだけではこの味だと多分飽きてしまうところもあるはず。だからこそのチューニングでハンバーグと合わせて良さが引き出されるものです。つまりパッケージのトータルバランスが良いということ。そこらへんも含めて完成度が高いです。
ハンバーグはそれだけ噛み締めても上出来で、カレーと合わせるのは勿体無いと感じるほどのものなんですが、カレーと合わせるとまた違う魅力を発揮するのが驚かされます。
ハンバーグ、カレーソース共に力強い旨味とリッチな満足感があるのでサラダなどさっぱりしたものを付け合わせに添えると良いかな。強い旨味ある味なのでカレーソースに温野菜を追加具材で入れてやるのも推奨できそうです。水っぽくならないバランスを意識するのがコツかもしれません。
歌舞伎俳優の尾上右近さんが強く推しているレトルトカレーなのだそう。いや、納得がいくよ。彼も腕っこきのカレーマニアであり、チェッターヒンなど推してくるあたり本物とお見受けするわけですが。そんな人が認める味、説得力というものがありました。