雨の夜。雨の夜などという甘いものではなく嵐のような横殴りの大雨の夜でした。こりゃちょっと動けないな。雨宿りというわけでもないけど、
カレーですよ。
そんな嵐の夜に千葉都市モノレール2号線、千城台北駅にいたのです。
モノレールの高架の下、目の前にカレー店があるんですよ。ちょっと気になってたんだけど、お休みでうまくタイミングが合わなくて入れていなかったお店。
「街のカレー屋さんcurry shop22」
といいます。
これが素晴らしいカレーさんなんです。
実は以前から数回、クルマで通り掛かっていたんですよ。が、毎度コロナ禍での臨時休業であったり定休日であったりとご縁がなかったままでした。この好機を逃す手はないぞ。
這う這うの体で逃げ込むようにお店に入りました。ああ、ホッとした。雨は嫌いじゃないんですが、公共交通機関の時はなかなかに厳しいです。ドアトゥドアとは行かないもんね。
お店はスナック風味で味わい深いかんじです。あら、こんな感じ腰が落ち着くわ。好みで言えばかなり好みですね。千城台北のこの場所によくとけこんだ風情がよいなあ。カレー店としては異質に感じる諸兄も多かろうとも思います。でもね、落ち着く雰囲気でこれがなかなかにクセになるのですよ。
さてカレー。注文は、
「カレー M ゴロゴロ野菜と自家製ベーコン」
という組み合わせに決めました。
カレーソースはスタンダード/豚挽肉(中辛)と牛すじカレー(甘口)があるようで、ここはやはり初めてなのでスタンダードを選択します。
トッピングとして用意されるものもちょっと面白いな。鶏もも肉コンフィやルーロウなんてのがあったりすることに驚きます。店主のセンス、好きな感じだなあ。メニューにはほかにもカレーラーメンやカレーつけ麺、デザートにフレンチトーストなどあってそのセンスオブワンダーな感じに引っ張られてしまうねえ。
さあ、やってきたカレーがこれ。
実は、なのですがはじめにおや、と思ったのです。少量スプーンで口に運ぶと少々インパクトが弱いかも、など思ったんだよね。が、それはまったくの間違い。そんなふうに感じるほどの自然な感じ、正しく王道のカレーライスらしさ溢れるカレーライスだから、かもしれないな。そらでそんなことを思ったのかも。
ところが食べ始めると後からボディブローのようにどんどん効いてくるこの楽しさ。旨味、辛さ、奥行き、あとからどんどん追っかけて広がってゆくんです。ああ、こりゃあすごい。こりゃ旨い。実はこういう味はなかなか少なくて、たとえばカレーライスに対して既存の考えと頭でいる人にとって「おいしいカレーライス」であり、食べあるきカレーの経験値が高い人やカレーマニアにとっては「これは玄人も納得させる味」と思わせるところあり、と感じました。
そういう二重のレイヤーがある味はなかなか手に入らないものと考えています。それはたとえれば、町田のアサノのカレーの粘度を少し上げたような、そういうニュアンス。こういう味はとても貴重。すごく好きな方向の調味で唸りました。
トッピングで乗っかった野菜のなかでもかぼちゃがカレーソースと相性がいい感じです。芽キャベツなど入って洒落ているなあ。そしてもう一つのトッピング、ベーコン。これが素晴らしかったんだよ。ガチッと塩のエッヂ効かせたスモーキーな良いもので、味も香りも素晴らしい。あれっ、わたしは今ベーコンを食べているのだったか、チャーシューだったか、というような心持ちになる厚くてデカくてすごいやつなんです。これは圧倒的にいいなあ。
ついつい出来心で白ごはん部分とチャ、、違う、ベーコンでベーコンライスなど楽しんでしまいます。これがたまらない美味しさなんですよ。これだけキャラクターが強い味だとカレーに合わせたら破綻するかな、と思うのだけど、これが不思議なくらいにバランスしてしまうんです。あっぱれ、お手上げ。すごいです。あとで他から聞くと店主、どうやら元ラーメン店の調理人だそうです。なるほどいろいろと合点がいくね。
トッピングを2種でカレーがMサイズ。これ、普通の店の大盛りをちょっと超えるくらいのボリュームだね。でもどんどん食べられてしまうのよ。うん、まちがいなくカレーソースのおかげ。旨いんだよな。
多分わたしはニヤニヤしながら食べていたと思います。多分そう。うまさの好みの臨界に達するとわたしはにやけながらカレーを食べてしまうのよ。なんとなく、記憶でにやついていたなと思い出します。ああ、はずかしい(笑)店主に美味しかった旨お伝えして大雨の中、外にでました。
でも駅は目の前、千葉駅まで、土砂降りの懸垂式モノレール。なかなかオツなものなのですよ。