もういい加減わかっているはず、なんですが、やはりいちいち驚かされるんだよね、この会社の一連のレトルト製品。
本当に何度でも驚かされる。
カレーですよ。
そういう感じですから36チャンバーズオブスパイスの製品である時点で間違いなぞあるはずないわけなんですが、そのうえ渡辺玲先生の監修というのはやはり大きなトピック。期待をしない方が無理ってもんです。
そして、やはり、思った通り、思う以上に激しく旨いのです。
「36チャンバーズオブスパイス」
のすごいやつ。
そうそう知る人も多くないであろうこの名前。
「ラールマース」
と言います。
ラージャスターンの料理ということなんですが、これをズバリ企画する渡辺先生とそいつをスーッと通してしまう36房の面々にはただもう脱帽なわけです。なんで企画通るんだ?それでこのレベルで完成させて売れちゃうって魔法みたいだなあ。
この料理のわたしの舌の印象は、酸味と油の旨味、辛さ。そして別添えのガラムマサラの強く上がる芳香。そういう感じを受けました。大変においしいんです。
シャープでストレートな辛さながらどこかにまるい甘みを感じるのはタマネギからかな。スパイス以外の原材料の種類が極端に少ないのが大変興味深いのです。
スパイスとマトン以外は玉ねぎ、ニンニク、生姜とヨーグルトくらいのものなんだよね。それでこの味。うーん、すごい。ブラックペッパーやカルダモンなどのホールスパイスがガリガリ入っているのもうれしくなります。
赤い見た目と酸味から、トマトかなあと思ったんですが、ラールマースはどうやらトマトを使わない料理らしいんです。ヨーグルトや唐辛子自体の酸味かも。おかしな風にいつまでも辛いのではなく、スパッと切れ味の良い辛さが素晴らしいものです。こういうのは止まらなくなるやつ。
たちまち額から、つむじから噴き出る汗、汗、汗。なんとも爽快な辛さで気分がいいんです。舌の辛さよりも体の中に効いているスパイスの方がより多く仕事をしているといった感があり、健康的な発汗を楽しめます。ああ!気分がいい。爽快だ!
強いマトンの味わいと奥行き、しかし辛さと香りのキレがよくて食後感に爽やかさが残ります。これはちょっとマジック的な不思議な感覚。優秀だなあ。
たまたま手元にあったほんのり甘いナーンを合わせたんですが、相性が大変良くて大満足。しかしちょっとごはんも試したくなって白メシとも組んでみます。こちらもまた悪くないね。パンであれば西洋パンでもよいコンビネーションになるのではないかと想像できます。おいしいパンと合わせるといいなこれは。チャパティとか焼くのもいいと思います。
これが手間もなく成城石井などで手に入るという時代。
レトルトカレーの売り場、そして日本のインド料理はますます面白くなりそうです。
そして36房のお二人と渡辺先生のことが大好きなのです。マジでサイコーだ。