ブルース佐藤マスターから聞いていました。7月の限定メニューはcampの代々木本店のオマージュメニューである、と。それを聞いてそのままとはいかないね。
カレーですよ。
「camp代々木本店」は本当に思い出深く、強く印象に残っている店でした。
あの半地下で火が少し入る感じとか、スタッフの皆さんの楽しそうな仕事ぶりとか。内外装にブルース佐藤マスターの趣味が強く出ていて、それがどうにも私のツボに刺さるところとか。
そういうのがあったから、せめて最後に
「JB’S TOKYO」
のひと月だけのオマージュメニュー、いや、追悼メニューかな。
なんとか滑り込みで手に入れねばと代々木に向かい、手に入れたのが、
「カレーパン☆バーガー」
チーズ追加、レタス追加、トマト追加、ハラペーニョ追加。できるうトッピングオプション全追加としました。わたしなりのサヨナラなのです。
まず、手に持つと重いんです。「ずっしり」そういう言い方がピタリと来るやつ。手に持つだけでこれが腹に入るのだ、と楽しく思うわけです。味はきっちりスパイシーだけど過ぎた感はなくてね。ペースト的にドライに練り込まれたカレーが手応え強く主張してきます。が、カレーそのものではないんだよね。あくまでバーガーであり、カレーではなくカレーパンを名乗っているわけです。
その証拠にパティとオリジナルのマヨネーズがきちんと組み合わさって完成となる味だと感じられたから。それと、パンの表面になんだかガリガリをなすってあってカレーパンをちゃんと思い出すんです。おもしれえなあ。
ブルース佐藤マスターっぽいっていうか、なんかちょっとやりたくなっちゃうんだろうねえ。そういうところが好きなんだよなあ。
ハンバーガーと言うものはカオスな食べ物だと思っています。食べるととても面白いんだよ。挟んである食材が口の中で混じり合うのが面白いわけなんですが、その前にバンズとバンズの間で色々な具材の融合、しみたり押されて潰れたりが既に始まっているわけで、そこに噛み付いて咀嚼していくとき、その融合がまた変化していく。それはまるでインドの南の混ぜて食べるスタイルの定食のようだと思うのです。
そんなつながりがあるのではないか、という気分にさせられます。
いや、きっとつながりなどこれっぽっちもないのだろうけどさ、そんなことを考えてしまうのがとても楽しい。
いまはもうアークランドの傘下になってしまったのですが、そして閉店してしまったけれど、それでもcampの代々木はわたしの中では最後までブルース佐藤マスターの店であったし、そういう空気を感じずには居れなかったよ。
さらば、camp代々木本店。あの店の事は忘れない。