辛いなあ、すごく辛いなあ。汗が止まらんなあ。そんなことを呟きながらこれを書いています。汗も止まらないけどキーボードを叩く手も止まらない。それはこの旨さとこもる想いを伝えたいから。
カレーですよ。
いまや日本のミャンマー解放のアイコンとなったヒロスケさん。ミャンマーへの想い強くその活動は軍部クーデターが始まった直後から始まって1年半を越えています。
元々はビジネスの土台を築こうと渡ったミャンマーでクーデターに遭遇。その中でも諦めずにミャンマー現地での缶詰加工食品を完成させ、それと並行してのレトルトチェッターヒンの地道な営業活動による大ヒット、そして今回の新製品、ウェッターヒンの開発まで漕ぎ着けたのです。
7月の初め、わたしがいなかったタイミングだったんですが、岩本町のスタジオにふらりと立ち寄ってくれて「誕生日プレゼントというわけではないんですが、はぴいさんに渡してください」なんて言いながら置いて行ってくれたこれ。そんなヒロスケさんのなにげなさに「ファンになりました!」と対応してくれたスタジオの女性スタッフからの声。さもありなん。
「ウェッターヒン」
は、ミャンマーの豚トマト煮込み/ポークカレーです。そしてこのヒロスケウエッターヒンは例によって魔性のレトルトカレーに仕上がっています。チェッターヒンに続き、とにかく辛くて仕方がないんだけど、旨くてやめられないというやつ。その遺伝子をそのままに、ポークで再構築したのが今回のウェッターヒンです。
いつも通り箱からレトルトパウチを取り出すと相変わらず箱を通してもレトルト食品としてその不自然な形が伝わってきます。おかしな風にふくらんでいるんだよ。それはつまり、肉。肉のせい。どでかい肉がその袋の中に入っているから。普通のよくあるレトルトパウチ食品でこんなになってるの見ないもん。
温めてさらに出してみれば思った通り。
大きさを想像していたのでおそるおそる皿の上にパウチから中身を滑らせます。ドカンと大きな肉が滑り出てきます。ああ、危ない危ない。慎重にやったからカレーの跳ねを浴びずに済みました。ものすごいのが入ってるぞこれ。
さて、まずはカレーソース。いきなりホールスパイス当たり!これはカルダモンかな?爽やかな香りです。カレーソースの味はビリビリと辛いけど相変わらずこの辛さのチューニングが絶妙なんだよねえ。次のスプーンをついつい求めてしまう旨味と辛さのコンビネーション。もうすでに虜です。
初めのひと口目でチェッターヒンよりトマトが強いな、など余裕をもってコメントしようとしているとどかんと爆発する辛さ、そして旨味。辛くて辛くて仕方ないんだけど、汗がとめどなく出るんだけど、だがしかし、なんですよ。スプーン止まらない、止まらないなあ。
煮込み料理としての格が違うぞ、と感じます。重厚な煮込み料理、なのに軽やかなのは辛さのおかげ。すごいねえ、落とし所。
さあ肉だ。肉、すごいぞすごい大きさだ。ポークのブロックがどでかく素晴らしい。きっちりと辛さを吸い込んでいるはずなのにそれを押し戻すかのような旨みがあるんです。豚肉のハイライトである脂の部分も最高の仕上がり。いやあ、期待して食べた分の味を返してくれるねえ。脂身も大事にしているのがわかりそれがとてもうれしいんです。豚肉はやはり脂だもんね。そして大きい。ポークのリブステーキ級のサイズ感。手応えは十二分を越えるものがあります。
とろける脂身と辛いトマトベースカレーソースには言葉を失う幸せなおいしさ。強い辛さだが旨くてどんどんスプーンが進みますよ止まらないよ。これはチェッターヒンでも感じたヒロスケマジック。
食べ終わると舌と喉がじんじんとします。しかしなんの後悔もない、というか、すぐまた食べたくなるんだよ。辛さは太く強いけど意地悪なところがないのがいいよねえ。なかなかこういく感じにならないよね。
ああ、わかってはいたんですが、またやってしまったな。ごはん、300g。それでも少々足りないと感じいてます。
それくらいの旨さ、それくらいのメシ泥棒なのよこれ。
古くてバカな物言いですが、「食べねば損」。本当にそう思いました。
食べねばわからぬこのカタルシス。伝えるのに苦労が絶えないよ。