ちょいと蓼科へ旅行へ出かけてきたんです。その帰りに寄ろうと思っていた木曽福島のマサラ サンガム。奥様がお怪我をされたということで心配で、ひと目お顔を見に、とおじゃましました。
カレーですよ。
お店は11月までお休みするとのことだったのですが、そのお休み中のお店でお茶をご馳走になってしまったよ。なんか逆に気を使わせてしまって恐縮しつつ(お土産までもらった!)、とりあえずひと安心の帰り道。
それで、おしゃべりの中でサンガムのお二人に面白い店があると聞きまして。せっかくだからそこに立ち寄ることにしたんです。
伊那なんだけどね。今日はおうちへの帰り道。マサラサンガムは木曽。だったら諏訪まで戻って20号が順当ではあるんですが、それほど遠回りでもないのでちょいと峠越えをして伊那へ出ることにしました。
マサラ サンガム吉田さんから教わったのが、
「産直市場グリーンファーム」
という場所です。
ここ、物凄く面白いファーマーズマーケットなのですよ。辿り着いてみれば聞きしに勝る圧倒的なお店で、夢中になりました。なんじゃここすごいぞ。
とにかく圧倒的な物量と、何の店なのかわからない謎の品揃え。
なぜか業者さん向けの立て札が普通に売り場の野菜の真ん中に立ってたりして自由な感じです。
乾物も色々あるし、なぜかコストココーナまであって、これは充実っていうのか?そういうものを越えた感じのところにあります。
例えば熊肉、鹿肉、蜂の子、ざざむし、いなご。地のもののきのこ類。松茸なんか1箇所にあんなにたくさん集まって売られているのを見た事がないし。野菜も果物も季節のものがこれでもかと並べられていてよくある道の駅など足元にも及ばない多品種とボリュームです。
栗、りんご、ブドウなど夢中になって買い回りました。とにかくどれもこれも目を剥く安さ、新鮮さなのですよ。こりゃあたまんないなあ。
花や緑もかなりのボリュームで取り扱いがあり、山野草や盆栽など見るべきものが結構多いんです。食品と同じくらいの広さをとってあるね、ここは。
いやすごいすごい、そんでやすい。
それでね。
ここらへんはまあ普通と言えるもので(じゅうぶんおなかいっぱいだけど)そのあとはうさぎ、ニワトリ、ヤギ、いずれも生きたものを売っているんですなんだそりゃ!ニワトリは卵採取のため、山羊は食用にしてはダメという但し書きがありました。ネパールの人とかに見つかると大変だな、あと、アジアハンターの小林さんとか。
山羊はレンタルもやっているそうで、どうやら草刈りの助っ人の様子。なんだかすごいぞ、なんかすごい。エミューは売ってません。いるけど。
圧巻は古道具。
広い面積をぎっちり埋めてものすごい圧を感じる古道具が雑多に積み上がります。木の滑車や本気で使われていたのが手に取るようにわかる木の背負子、木箱などむかしの生活道具からレコード、おもちゃ、家電、いずれも掘れば何かありそうな雰囲気が強くあるすごいもの。
焼津港のサーチライトと書かれたドラム缶の倍の径はありそうな探照灯などが売っており欲しくなって困るわけです。クルマの屋根に載せたらブルースブラザーズみたいだよね(あれはスピーカー)。
ミニカーは目利きが見たらやばいもんなんか混じってそうだなあ。ソフビ怪獣、比較的新しいけどありましたねえ。なんかえらいことだ。
レコードはさだまさしもクールスもポールヤングもあります。
とにかくカオスというのはこういうことかと頷かざるを得ないすごい場所。そしてこの建物の一角に小さなカレー店を見つけたんだよ。
「チャメリのキッチン」
というバングラデシュ食堂。しかもバングラときたもんだ。
とにかくすごいしカオスです。正確には持ち帰り専門のようでお店の前にテーブルがひとつあり、そこで食べられます。
が、残念、昼のみ営業、15時まで。なにしろそうそう来れない木曽界隈で心残りであったのですが、グリーンファームの惣菜コーナーにひとつだけ、
「チャメリの総菜 豆のカレー」
を発見、確保。うーんよかった、ものすごくうれしい。持って帰って翌日食べました。
チャナダールを使ったスタンダードな煮込みなんですが、タマネギをベースで炒めるのではなく具材として大きめに切って入れてあるのがちょっと新鮮。グリンピースが入るのもいい、、など思っていたら間違い。ホールカルダモンでありました。
辛さの要素はほぼなくて、遠くの方にほんのり辛さの断片が見え隠れする程度で汗をかかされるものではないですね。南アジアのベーシックな家庭料理の雰囲気がありました。いい感じだな。
こらなら伊那でもおじいちゃんおばあちゃんに十分に受け入れられるであろう味です。納得できるなあ。
お店の前の張り紙を見るとはビリヤニやフィッシュカレーなどもあるようで、なるほど、こういう場所でもビリヤニなどいう名前を見る時代か、と感慨深いです。
ちゃんとフィッシュカレーなんかあるのもバングラデシュしてていいね。
思うにこの場所。もともとはよくあるJAとかの産直の野菜中心のマーケットだったんじゃないかな。それで、過疎化したり売られたりする古い古い昔のおうちとかが多くあって、そういう古道具が自然と集まってきたり、地域のニーズを満たそうとしたり農家さんなんかの意見を聞いたりしているうちに怪物的に膨れあがっちゃったんじゃないだろうか。
それもこれも木曽という、ちょっとアクセスがしづらい、悪い意味ではなく周りから隔絶されるような土地ならではの場所、場所というよりは現象、事象に近いものになっていったんじゃないかな。
すべてわたしの想像です。
とにかくチャメリのキッチンもそうなんですが、バングラデシュ食堂をも内包してしまうカオス、「産直市場グリーンファーム」は絶対に見逃してはいけないスポットなのですよ。
絶対だぞ。