レトルトカレーのお楽しみ。内食のお楽しみとくれば自分の舌に自在に合わせてやる楽しみというもの。その日選んだ辛口バターチキンは十分すぎる美味しさで、ちゃんとご馳走として成立していた良いものでありました。が。
カレーですよ。
ちょいとイタズラをしたくなったんであります。それはちょっと良いモノが手元にあったから。
確かめて見たいことがありました。
「玉ねぎのコク甘スープ」
これ、よいものなんだよ。
ご存じ熊本のサスティナビリティを旨とする野菜関係の加工食品のメーカー
「HOSHIKO」
の製品。
これ、このまま湯煎をして温め、スープとして食べるのもよいんです。柔らかな甘味とキツすぎない自然な味つけでホッとするお味。ちょっと味にパンチがないかな、と思う向きは自分で調整すれば良いわけです。塩胡椒だけでぐいっと輪郭が出てきてそう。自分好みに調整をする楽しさが味わえます。
逆に考えると、万能だからこその穏やかなチューニングにしてあると言えましょう。先ほど書いた通り、温めただけの素の状態に塩胡椒をするとたちまち食卓の主役級に存在感を出してくるのはホント、面白い。
それで考えたんです。それだけでパワーアップができたということは、たとえばトマトペーストと塩、唐辛子なんていうコンビを放り込むのもいいんじゃないかしら。絶対美味しいスープが誕生するはず。あ、この組み合わせにスパイスもう少し種類増やすと、、そうかカレーの土台に使ってもいいはずだよこれは。
このスープにストレートにカレー粉でもいいし、腕自慢ならホールスパイスから香りをつけていってもいいでしょう。昨今盛り上がるアウトドアシーンでの便利調味料、ほりにしなどのアウトドア系スパイスミックスを振っても面白いはず。
ということで、わたしはいままさに食べていた36cos謹製「スパイシーバターチキンカレー」に、そのまま温めた「玉ねぎのコク甘スープ」を適量、スプーンで数杯づつ味を見ながら足して行ったのです。これが驚くべき変化を呼ぶのだったんです。ちょっとすごかった。
元来インド料理を起源とするバターチキンカレー、クリームナッツペーストなどでコクがあるものなわけですが、製法としてはタマネギを使っていないもの。とあるカレー店店主は「タマネギを炒めるのがツラいからバターチキン専門店やりたい」など冗談にしてはやけにリアルな顔つきで言っていました。
「スパイシーバターチキンカレー」はさすがの36チャンンバーズオブスパイスの製品、オーセンティックなスタイルでインド料理の手法をベースに作り上げているため玉ねぎを入れていません。とても正しい。
とはいえタマネギは奥行きとコクの魔法を必ずもたらしてくれます。
とにかくなんというのだろうね、後から足したベーススープなのになじみがよくて、破綻がなくて、元々のカレーのポテンシャルを何倍にも増幅してくれるんだよ。これは驚いた。こんないいモノがあるのか。いろいろやってみたくなるなあ。
たとえば冷凍の飴色タマネギなど売っていたりするんですが、あれは使うと油のクセや甘みの出方の難しさがあってね。ただ加えるだけでは思い通りにならないんです。そういうのを軽く乗り越えるこのスープには驚きました。これはいいもの。工夫と応用のしがいがあるってもんです。
わたしならこの「玉ねぎのコク甘スープ」をアウトドアでの調理に持っていって時間短縮と美味しさアップの両方を成すかなあ。それを一番やってみたい。
大変なアイテムがあったものだねえ。