伊勢醤油本舗の上野毛戸社長が送ってくださったレトルトがまだ少し残っています。すごい量を送ってくださって、それはもう「納品」というレベル(笑)すごいうれしかった。ひとりで食べずに、美味しさが色々な場所に伝わるようにたくさんの皆さんにわたしから差し上げました。
カレーですよ。
ヤマモリ株式会社のグループ企業、伊勢醤油本舗株式会社は伊勢神宮に毎年お醤油を奉納するなどしてらっしゃる高品質醤油の醸造メーカーです。上野毛戸社長には長いことよくしていただいています。
そこのレトルトカレー、ちょっとひねりが効いているんですよ。醤油各種、鯛醤(たいひしお)、伊勢うどんなど取り扱い伝統的な日本らしさを会社の方向性として持っている会社なんですが、そこがレトルトカレー、それも中国薬膳料理の先生の監修を立てるというのが楽しい、おもしろい。そしてそれが美味しいんです。
薬膳シリーズ「いのちのたね」
といいます。これがこのレトルトカレーのシリーズの名前。薬膳料理研究家のパン・ウェイ先生が監修を務めています。
NHK「きょうの料理」などでご活躍で、都内でに中国料理と薬膳を主体としたキッチンスタジオを構え料理教室も主催してらっしゃいます。
この「薬膳シリーズ「いのちのたね」」は薬食同源、食養生。薬膳がテーマのカレーと粥、スープのラインナップ。カレーは3種。鶏肉の薬膳カレー牛肉の薬膳カレーとこの、
「いのちのたね 豚肉の薬膳カレー」
が揃うのです。
これね、素直に美味しいと感じるものです。
いわゆるカレーライスだと思って食べると肩透かしを感じる方もいるかもしれない。けれど、2023年。もはや日本のカレーライスという食べ物のアップデートはとどまるところを知らず、そういう現在のニッポンのカレー、味の幅や多様性を大きく更新したところにある事をあまねく国民が知っていてもいいのではないか、という時期にやってきたなど考えています。少なくとも都市部ではもうそういう波の中にあると認識しています。
大袈裟になりましたが、美味しいんですよ、これ。
とがっていない酸味が全体のファーストインプレッション。香りもちょっと普通のカレーとは違っていてオッと思わせてくれます。カレーソースはクリーミーな舌触り。同じく柔らかい食感の野菜がたくさん。それがなんの野菜か目で見てわかるくらいのサイズ感で大きめにダイスカットされてたくさん入っています。野菜の手応えと爽やかな酸味で重さを感じさせないのがチャームポイントですね。
口はそれほど辛くないんですけどお腹の奥の方、内側からじわりと効いて汗が出てくる楽しい薬膳カレー。ああ、なるほど。「効いてる」感じがあるね。
前も書きましたが印象をあえて乱暴に書くと、バターチキンカレーのきちんとしたやつ(甘味ではなく酸味に振った正しいもの)にニュアンスが似ていると思うんです。これはおもしろかったな。いろいろ楽しく頭を使わせてくれるカレーだと感じました。中華味ど真ん中という感じではないのがいい。モダンで上品です。
箱に「春雨やうどんにかけたり、葉物野菜をのせたり、水分をとばしてパンにのせたり、アレンジも楽しんでください。」というパン・ウェイ先生の言葉が書いてあって、なるほど、麺に乗せるのは面白そうだなあ、と思いました。保存料、着色料、化学調味料不使用です。
これ、よいな。
こういうものをおうちにストックしておきたいです。