腹が、へったよ。とても腹がへったのよ。うっかり原稿に集中するとメシを食い損ねたりするんです、あたし。
カレーですよ。
メシのタネであるところのメシテーマの原稿を書いていて自分のメシを忘れるわけです。忘れるくらい一所懸命に書いたメシの原稿料はわたしのメシの支払いに使われるわけです。いろいろと本末転倒なんであるよ。それで、さて、どうするかな。カレーをどうするかと考えるわけです。
カレーライスが食べたかったんだよね。カレーライスらしさのあるカレーライス。そういうのが食べたい。それで、そういうカレーがずいぶん少なくなったなあ、と思うんです。
最近ではカレーライスらしいカレーライスを選ぶのに少々苦労することが多くなりました。小洒落ていたり今風だったり。そういうカレーが増えているんです。それは悪くないこと。でもね、余計なことをしていない、カレーライスらしさの残るカレーライスなんてのもあったほうがいいと思います。やっぱりこうだよねえ、というやつね。
そういうの所望の時にいつも助けてくれるのが木場ある
「ジャンカレー」
高校生の頃からのお馴染みさんです。当時は亀戸店、京葉道路沿いにあったお店に通ったなあ。友達ん家があったので、新小岩の店にもよく行きました。新小岩が本店だっけかね。ジャンカレーは古くからある下町中心の小さなカレーチェーンです。10年ほど前だったかなあ、リニューアルがあって各店がきれいになってました。
その時にPOPが一新されてね、ちょいと蘊蓄が書いてあるようになったんです。曰く、ジャンカレーの目指すものはご飯山盛り、熱々で誰が食べてもカレーライスらしく、お腹がいっぱいになるもの。そういう趣旨書きを貼り出すようになってた。いい、いいなあ。心から賛同できます。まさにそういうものをね、食べたいわけです。だからジャンカレーにやってきたんです。
本当はいろいろと客単価が上がるようなオーダーをしたいところなんですが、ことジャンカレーにおいてはどうにも素のカレーライスがいいんだよなあ。申し訳ないなあ。申し訳程度だけどうでたまごをそっと追加して、これでオーケー。あとはスプーンを振り上げて幸せになるだけだよ。
いただきます。