行きつけの店にびっこ引きながら行くわけです。膝頭に抗生物質注射されたってのに。急な階段登るのに。
カレーですよ。
だって足痛いけどカレー食べたかったんだもん。我ながらダメだなあ、と思います。が、カレーは食べるんだよ。おうちに山とあるレトルトカレーのストック食べればいいのにねえ。
それで、わたしの徒歩圏内い一番近くのネパール料理店の
「シティマート」
へやってきました。
いいお店でね、ダールバートだってチョウメンだってサデコもブテコもある真面目なネパール料理店なんだけどね。しかもそれらがちゃんとうまいお店なのに。
あたしはさ、魔が差したわけでもなく、逆張りでもなく。ただもうなんかすなおにおいしいの、と思って頼んだんですよ、
「チーズナンセット」
なんであるよ。いいじゃない、素直にこういうのがいい時があっても。だっておいしいんだもん。
カレーは日替わりをお願いしたんですが、あいにく耳の調子が悪いのとネパールの店員さん(見たことない顔だった。久しぶりだからなあ)がちょいと日本語達者でなかったんでなにが出てくるか不明のまま。何がくるかわからないというお楽しみ、なわけです。こういうのはわりと楽しんでしまうんです。
出てきたカレーはバターチキン。いや、本当はアンダーキーマかなにかだなこれ。ちびっと肉のビッツが入っていてゆで卵の半割りが1個、入ります。たまごカレーであるわけですね。しかしここはイギリスのカツカレーにちなんで、日本では何が入ってようがトマトアンドクリームスウィートグレイヴィはバターチキンでいいと思う。そう決めたぞ。
チーズナーン、バターチキン、謎ドレッシングとインネパ三題噺し。これはあまじょっぱの王様だよ。みたらし団子食べてるのと同じ体験といってもいいでしょう。
おもしろくなってパパドをクルトンがわりにカレーに浮かせてみます。楽しい、楽しいぞ、自由は!
彼の地ニッポン、その土地の食材を生かし、その土地の舌になじむようチューニングを繰り返してたどり着いた、あの味。甘いパンが好きであまじょっぱい味にどうにも抵抗できない我々の舌を満足させるため、ネパールのコックさんがトライアンドエラーを繰り返して最適化、完成したのが「ニッポンのバターチキン(インネパ)」なのだから。
日本人でよかったぞ!
ありがとう、ネパールのコックさん。