ちょっときっかけができて国分寺まで出向いたのです。1時間半の道のりはそこそこの距離ですが、会いたい人に会えるので行くことにします。
カレーですよ。
先月末にFacebookに書き込みをしたことがあったんですが。どうにもこうにも体も心もダウンしていまして。なかなか人と会ったり話したりの対応できぬままのひと月でした。11月のことです。そんなことを投稿できたのも、メンタルダウンが最終局面から持ち直しに移行しているタイミングであったからかもしれないね。予断はできぬわけですが。
その投稿に多くの知り合いが体調や心を心配してコメントをくれたのは本当にありがたかったんです。しかし1人、なぜか業務連絡の人がいた(笑)。それがシャルマの大友さん。ちょっとちょっと、病んでるって投稿に業務連絡って(笑)そう思いつつなんかくすくすと笑ってしまったんですよ。よしよし、ここで笑えるのは心の元気の証拠だよ。それではそのくすくすをくれたありがたき人物とおしゃべりだな、とクルマに乗り込んだというわけです。
『CURRY LIFE in Kokubunji』~カレーのある生活フェア
という国分寺マルイで開催された小さめ規模のカレーのポップアップイベントへ出展をしているとのこと。
「国分寺セレクト」と冠するカレーとカレーのお供アイテムを揃えたという体での開催のようです。規模は小さいけど店選びが面白いな、と思ったのもあってやってきました。
出店は、神田神保町、欧風カレーの「ガヴィアル」、金沢のインド料理専門店「シャルマ」、同じく金沢「金澤ななほしカレー」、京都からはビリヤニ専門店「インディアゲート」、以上がカレー出店でそれ以外に横浜のラッシー専門店「LACCI」、京つけもの本家「こじま」は創業100年越えの漬物店。新業態「カレーと酒菜秀」のスタートからカレーと相性良い漬物の販売を。面白いラインアップだね。こじんまりしてますが、いい感じ。
シャルマの大友さん、お元気そうだったな。少しおしゃべりができて楽しかったですよ。売り場のざわざわ音が災いして補聴器を使いつつも3割ほど聞き取れないところもあったのですが(あんまり度々聞き返して売り場に立つ大友さんのお邪魔してもいかんと思い控えたところもあるのだ)、楽しいコミュニケーションでした。
残念ながら売り場でのイートインはなし。正確にはイートイン可能なスペースはあったんですが、レンジアップ設備がなくてね。熱々が食べられないのはいかんでしょ。
それでは、と持ち帰りにすることとしました。
「あいがけ弁当」(1650円)
にチキンティッカを 1ピース(200円)追加してもらいました。
さて翌日。カレーです。
カレーはチキンマサラとバターチキン。せっかくだからあたためてから自前のボージャンタール(インドの仕切り皿)に盛りつけ直しをします。すこしおかずの追加もしてみた。
楽しいよね、こういう準備。
美味しく食べるにはこういうのも必要だと思っています。
チキンマサラ
タマネギ焙煎の甘味と旨味、上手な酸味のつけかた、これはクセになるお味だねえ。舌の奥の方に記憶が残る感じ。ああ、これ旨いなあ。カレーは少し冷めると本性を表すものですが、これは甘味とコク。それをブーストするスパイスという構成のあまうまちょっとからスパイシー。馬鹿な物言いをわざとしますが瓶詰めの海苔の佃煮「アラ!」や「ごはんですよ」に近い喜びを感じるんです。つまり冷めててもいける。おいしいということ。いや、もしかすると体験として肉味噌に近いかも。瓶詰めで毎日少しだけご飯に乗せたくなる味です。デイリーで行けちゃうね、このカレーは。
バターチキン
みんなが好きなバターチキンのお味としながらも、酸味を上手に手前に持ってきて甘味は必要分でちゃんと止めていて。真面目に作ってらっしゃるなあ。香ばしさも感じらるし、しつこくならずにスイスイ食べられる良カレー。これ、パンなどのスプレッドとしても優秀だと思う。食パンに薄く塗って野菜とハムを挟むといいんじゃないかしら。優秀なサンドイッチができると思います。クセのないヨーグルトを加えてやるとチーズ風味の感覚も出てきてこれまた面白いんです。バターチキンカレーは味の幅広くてそれぞれ個性があって楽しいよねえ。
チキンティッカ、スタンダードでクラシックな仕上がりでした。まさにこういうのが王道であると思います。ちゃんと噛んで行く余地があり、しかしバサバサせずのしあがりも素晴らしい。旨いなあ、なるほどこう言うのが好きだなあ。
うまかったのです。どれもよかった。
都市部だったりインド料理マニアだったりの間ではいまだ現地のレシピそのままが珍重されています。「文化を含めて食べる」というような楽しみ方ですよね。価値があると思う。
しかしレストランは、料理は、食べ物というものは。
そういうものは、日常にあってこそ幸せを与えてくれるものでもあります。1年に一度の大奮発もマニアックでクローズドな世界というのも、どちらもいいものですが、日常的に舌に合う、いつでも食べたくなる美味しいもの。そういう幸せはとても尊いもので、忘れてはいけないものだと思います。
その点、金沢「シャルマ」の今回のお料理、なるほどと膝を打つ納得があったなあ。以前食べた同じく金沢の「ホットハウス」、こちらもインド料理専門店ですが、その土地の味覚、日本人の味覚に合う調整がなされており大変な美味しさでした。
もしかするともうすでに「金沢インドカレー」というジャンルはその名を冠さないまますでにそこに存在しているんじゃないかしら。地域のカレーがいわゆる金沢カレー以外にも派生してるんじゃないかな。そんな想像をしました。
そうだったら面白いなあ。