中東料理というとトルコ料理を思い出す人も多いと思います。かくいうわたしも中東という地域を薄ぼんやり捉えているところがあってね、ちょっと申し訳なく思ったりするわけです。
カレーですよ。
中東と括るとトルコも入ればサウジアラビアもアフガニスタンも入ってきます。ちょっと範囲が広がってしまうよなあ。Wikipediaでは「ヨーロッパから見て近辺にあるアジア・アフリカの地域概念。西アジアの大部分とエジプト、イランを含めた国々」となっていました。わたしのイメージだとパキスタンから向こう側でカスピ海の手前沿岸、それにトルコ。あとサウジとそのむこう、アフリカ大陸の上の方の感覚です。
中東料理で括っちゃうといささか広範囲で食文化もいろいろです。なので千葉の佐倉にある、
「レストラン サダフ」
はイラン料理。ペルシア料理という言い方もあかしらね。あのレストランを紹介するときはやっぱりイラン料理と説明します。けっこう気に入ってるんだよ。たまに思い出すと行かなきゃおさまらなくなりますから。それで、遠くてクルマ以外のアクセスが困難で大変だという人がいるんですが、わたしは行きやすいよなあとか感じちゃっています。
東京下町の自宅からクルマで下道1.5時間。クルマの運転を楽しむのにちょうどいい距離だな。千葉のちょっと郊外の細道を走るのはのんびりした気持ちになって好きなんです。駐車場も広く用意されてて快適。都内ではこうはいかないもんね。
ちょいと知っていないとゲートをくぐりづらいのもいいんです。私有地、工業団地的な部外者感を感じながら入るわけです。そういうところから自分だけが知っている場所感も少しあっておもしろいんだよね。以前は大きなゲートに「レオンコーポレーション」とあるだけでその中にレストランがあるなぞだれも知らなかったはず。カーヤード、中古車両の解体や集積のための殺伐とした場所。わりとこういうのは好きだなあ。
店内外、ペルシアの美意識的とでも言えそうなディティールが見えるのがまた楽しくて。宮殿や廟の前に配される池を思わせる大きな池があって鯉が泳いでいます。ちょっと浮世離れした感覚だなこれは。
店内はモダンムスリムとでもいいましょうか。海外のクラブ風の照明や大型モニターにステージ。レザー調のふかふかソファに大理石模様のテーブルとここら辺は中東ゴチック的。快適でいい具合なんですよ。
お客はヤードで働く外国人が多いみたいですが、意外や近隣の養護施設とかからのお客もいるみたいでその混ざり具合が面白い。地域での文化融合があるわけでうs。良いことだと思います。
さて、ランチのブッフェ。この日は、
マヒチェ 羊のスネ肉煮込み
ナスとじゃがいものキーマ煮込み
サブジィライス
マトンのスープ
ナーン
というところですね。これにサラダバー、ドリンクバーもつきます。
わたしのお楽しみはポロ。ピラフ、ピラウ、プラウ、プラオ、ポロでお馴染みののポロです。ピラフの系統ですね。この日はサブジィライスでありました。ぱらりとした長粒米にハーブのいい匂いが食欲をぐいっと引き出してくれるおいしいやつ。ああ〜これではおかわり必須になってしまうなあ。
きれいなグラデーションのサフランライスも用意されていました。カレー用かな。
これはマヒチェでありましょうか。羊のスネ肉煮込みだね。毎度ブッフェなのにえらいもの出してくるなと驚かされます。そんでまたしっかり旨い。うれしいなあ。髄までつついて食べ切るのです。旨い部位を見逃してはいけないもんね。
ナスとじゃがいものキーマ煮込み、これはインド料理と思われます。スパイスは控えめで挽肉とナスの風味穏やかなもの。
これもいい、好み。
サラダも充分以上の充実なんです。自家製と思しきドレッシングも良いものが3種。マカロニサラダ、味付けがやはりちょっとセンスが違って「らしさ」があるのがいいのよ。味付けのどこかにちゃんとペルシア料理的な何かを感じます。気のせいか?(笑)
絶対のお気に入りがマトンスープ。マトンの香りがふわりとくる赤いスープでこれがどうにもクセになるおいしさ、滋味深さなんです。いつも何度もおかわりをするよ。個性的なのに懐広く、色々と合わせるのに便利なスープでね、ごはんを浸してもいいし、スネ肉煮込みを浮かべてもいい。いろいろやってみたくなります。
これで1400円には言葉もないよな。
まったく幸せ、ありがたい。