なるほどなあ、という言葉がごく自然に口からこぼれるんですよ。やはりこの店はスペシャルな味だもの。忘れたつもりはなかったが、食べるとそれを鮮烈に思い知るんです。
カレーですよ。
御徒町、インド人宝石商の店主が自分の食事の場所としてその宝石店のそばに開いたベジタリアンレストラン。
そういう出自を持つレストランであるからして、失敗があるわけがないのであるよ。
御徒町の、
「ヴェジハーブサーガ」
はそういうお店です。
きょうは御徒町界隈で健康診断がありました。それでうちの奥さんと二人でランチとなったんですね。なのでこの日の日替わりの料理4種すべてを味わうことができたのです。こりゃ最高だ。
GREEN MOONG DAL / 皮つき緑豆のカレー
しゃりっとした食感と青々しい香りが心地よい豆煮込み。ダールなんですがフレッシュな感覚があって好みだなあ。ちょうど辛めに仕上げているのも好感触。
ALOO BAINGAN / じゃがいもとなすのカレー
これほぼ炒め料理だな。グレイヴィタイプではない、おかず的な仕上りです。ネパールだったらタルカリと呼ぶのではないかしら。これも旨いぞ。スパイス使いも感じますが、和食のテーブルにあってもおかしくないと思う。常備菜にしたいですねえ。旨いなあ。
VEG KOFTHA / 野菜とひよこ豆粉のお団子カレー
ベジコフタは独特の食感でした。ちょっとねっちりする感じで、ネパールのディドを思わせるところもあるかも。カレーソースはトマトクリーム系か。優しくふくよか。おもしろいねえ。ナーンにもよく合います。
VENDAKKAI MOR KUZAMBU / SOUTH / ヨーグルトベース南インドのオクラカレー
鮮烈な酸味とオクラの食感。テンパリングの香ばしさが全体に広がっていて良いアクセント。コザンブは好みでいうとわりと選ばないんだけど、これはいい、いいぞ。香ばしさがいい。香りとほんのりの苦味で食べ進んでしまうのです。いいねえ。
店名通りの野菜だけを使う料理の数々。優しく穏やかなイメージがあるかもしれないですけど、実はここではさにあらず。エッヂも鋭い料理もあれば複雑で頭を使わされる深いスパイス使いもあるんです。
肉、魚など使わずともこれだけの味の幅と満足感を得られるんだよ、と言われているような気分です。
やはり圧倒される世界観があるねえ。唯一無二と感じます。