SNS投稿を躊躇していたんであるよ。それはつまりアジアハンター小林さんが投稿しており、彼がは 主催であり尚且つ全てを的確に描いているから。もうわたしはいいじゃないか、とね、思ったんです。
カレーですよ。
そんなことを思いつつ、やっぱり書くのです。
江東区民センターはわたしの最寄駅のそば。というかぶらぶら歩いても家から5分ほど。そこでこんな面白い催しがあるんじゃ行かない手はないのです。
興味深い催しでした。小林さんならでは、彼でなければ、今でなければ実現しなかったであろう内容です。それというのもこのイベント、インドの女性、現役主婦による地域をキーにした家庭料理の食べ比べという、インド本国でもちょっと大変な(もしかすると本国の方が大変かもしれないと思う)催しだから。
これ、ほかのどこでもない、2024年の東京だからこそ実現したのでではないかと考えています。人物としての特異点、アジアハンター小林さんと、場所としての特異点、東京江東、江戸川地区。二つの要素が機を熟した2024年という年、偶然にも現在の東京、ベイエリアに集約されているんだよ。
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バンガロールとハイデラバードという、南インドを代表する二つの都市から旦那の仕事に伴われて来日したものの、二人ともムスリマという宗教的制約や言語の壁などから普段はほとんど日本人との接触がなく、ましてや日本人に自分が作った料理を食べさせた経験も、さらには専業主婦であるため今まで金を稼いだ経験すらなく、今回のイベントで得た売上は、彼女たちにとって日本という異国で人生で初めての「自らの力で稼いだお金」だっという感動的な裏話もあります。(アジアハンター小林さんSNS投稿より)
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追記
イスラム教信仰のイスラム教徒を「ムスリム(Muslim)」と呼称。 非イスラム圏では性別での区別なしでそう呼びますがイスラム圏にはいると女性教徒を「ムスリマ(Muslima)」と分けて呼称します(アラビア語)。
ということでこれを読んだだけでもういく価値というのがあるわけです。
地域ごとのカラーというものが大変い面白いのですが、その中にさらに家庭ごとの味があるわけで、今回のメインアクトレスの主婦お二人の方のバックボーンなどから見ていくと曼荼羅のようになるのではないかと想像してしまうんです。奥行きにキリがない、ということです。
無数に、というのはまさにこのことで、この日のお二人の料理だって地球の、インド亜大陸の、ハイデラバードとバンガロール地区の、ムスリマの、主婦という立場の、と条件があってその隣り合わせに同じような条件の人が無数にいて、小さな条件違いの人が隣にいて、その人だけのスタイルの料理があって、とフラクタル、マンデルブロ集合のあの映像を思い出して眩暈がします。
内容はドーサ、チャトニ、ビリヤーニー、スージーハルワというラインナップ。バンガロールのナスリンさん、ハイデラバードのハザラさんが腕を振るってくれました。どの料理もリアルなインドの家庭のスタイルそのままの調理、味。同じお題でも調理法の細部や味の向いている方向など違いがきちんと見られるのがとても面白かったなあ。
ドーサはどちらもボリュームがあってお腹にたまります。フィリングもドーサ自体の焼き加減などもスタイルの違い、明確に出て大変に面白いですね。生地を焼く前に少し舐めさせてもらったのですが結構塩を強めに乗っけているという感。いろいろとおもしろいなあ。タワの形なんかも興味深い。フチ付きの厚手の重厚なタワでした。
ビリヤニ、これもまったく違うスタイルのものが出てきます。お米の種類からして違うのが面白いね。地政学的な要素と民俗学的要素、歴史、経済、宗教などのレイヤーがミックスされて地域の食が出来上がるわけですが、そういうものを感じさせます。
胡麻を使うチャトニも特徴あるもので、あまいもの、スージを使ったこれはハルワのなかまかしら(詳しくはアジアハンター小林さん投稿へ)ハイデラバードのそれ、自分史上最高の美味しさ。上品できちんと甘くて食感良く、夢見心地にさせられました。うむーインドの主婦、恐るべし。
そしてこれ、次回があるというではないの!東インド主婦対決とかなんとか。もう完全に行かざるを得ず。行かなくちゃ。行きます。
近いから(笑)。