なんだか突然遠くのレストランに無性に行きたくなることがあるのです。遠くにある、というのがミソで、こんなレストランが近所にあったら毎日通ってたちまちデブになる。そういう魅惑的な店が日光にあるんです。
カレーなしよ。
洋食店であります。ステーキ、ソテー、ハンバーグにフライといった嬉しいメニューの数々。いつぞや偶然に知ったお店なんですよ。斜め前に「川霧の湯」という鬼怒川に面した絶景温泉宿があります。
鬼怒川温泉街よりかなり手前にあり、鬼怒川がまだ渓谷になっていない、幅広の河原を流れるあたりにぽつりとある。崖に沿うように建っている温泉で鬼怒川を見渡せる快適なこじんまりした露天風呂。とても気に入っている。そこに浸かりに来た時に知ったんです。以来「川霧の湯」とここ、
「とんかつ ステーキ 篠」
はセットで行きつけとなってます。
今回はランチタイムの開始時間に来れたので温泉はなしとしました。11時開店、1115着でしたが席はすでに埋まっており、人気の程を窺わせます。15分ほどで席に着くことができました。
とにかく「ニンニク焼」というメニューに目がないんです。目がないのでいつも1人で行くからこれしか頼まなくなるわけですが、これだと一生、「ニンニク焼 / ポークソティー」だけの人生になってしまうな。それもいかん、と今回は、
「篠特製ハンバーグステーキ250グラム」
を注文。
程なくしてやって来た「篠特製ハンバーグステーキ」が素晴らしかったんですよ。柔らかふんわり系ハンバーグだねこれ。細か目の挽きのお肉をたっぷりと使ってあり存在感がすごいんです。
これにレモンとタマネギの醤油ベースダレをかけて喰らうわけです。ああこれいいぞ、たまらない。肉の旨み濃く、しかししつこいまでいっていない感じ、好ましい着地点ですねえ。おいしいなあ。
そして味変であるぞ。
ニンニクたれだぞ。もうこれが奈落に突き落とされるが如くの衝撃の美味しさ。「どうしよう」というのが素直な感想です。このままここで目が潰れちゃうんじゃないかとかここんちのこになるにはどうすればいいか、とかうっかり間違えてもうすこし小さくカットしようかと思っていたハンバーグを大きいまま口に入れてしまってヨダレと脳汁と涙がほとばしったり忙しくて仕方がないわけです。
付け合わせのインゲンとフライドポテトもこのたれで異次元の食べ物になるんだよ。ニンニクの「シビレ」がすごい。これは本当に蠱惑的誘惑であり、ちょっと正気でいられないと思う。
ハンバーグの美味しさを飲み込んでしまうあやかしの味、といえましょう。腹一杯になりつつおかわりで「ニンニク焼」を注文したくなってあぶないったらありません。
今日もひとり、奥まった小さなテーブル席で至福に打ち震え、脳活動が停止しました。
本当にいいお店だなあ。遠くにあってよかった。近くにあったら通い詰めてからだをこわしそうだもん。