まいったよミッチー。こんなに旨くて手間をかけた欧風カレーが出てくるとはなあ。見かけで決めつけるのは良くないな、と反省しきり。
カレーですよ。
なんとなく歩き始めた神楽坂。後楽園方面に向かっていました。ちょいとまだ暑い日もあたった時分。汗をかきかき通りかかったここは、、角打ちかな。酒の看板と奥のカウンター。うん、きっとそう。
ところがその入り口に小さく「カレー」の文字があるではないですか。おやおやこれは。ちょいと一献、ではなくちょいと一皿と洒落込んでみるかなあ。
「ミッチー」
という屋号です。
間借りなのかしらね、しかし営業日は週6でほぼフル営業、頻度高く平日もやっているんです。店頭の看板は「伊東酒販」となっていました。そうか、やはり酒屋さん。酒屋さんの中のミッチーのようだねミッチーが酒屋さんを侵食してるのかな?
で、カレーがうまかった。旨いんです。欧風カレーでありました。それも濃厚でバターやクリームの乳製品たっぷり、タマネギがこれでもかと溶け込んだ、あの高島平インディラスタイルというか、ボンディスタイルというかのアレであるよ。ああ、いやあ、こりゃまいった。
「なすチーズカレー」
というのを選んだんですが、まずはあのご馳走あじを急に心構えなく口に入れてしまったわけで、大きく動揺してしまうんですよ。うわっ!覚悟がないまんまこんな旨いものを舌に乗せちゃったよ!というときめきと不安。そして快楽。たまらんわー。
ナスは注文が入ってから揚げ焼き的調理をしている様子でね、これが濃厚なカレーソースによく合うんだ。チーズ、言わずもがな、です。いやあ、おいしい。
しかしね、やっぱりね、欧風カレー、それもボンディスタイルのカレーは別格の立ち位置だと改めて感じます。誤解を恐れずいうんですが、カレーという食べ物はブレがあるからこそ楽しいと思っています。そのブレは味そのもの以上に各人の頭と舌に依存しているわけで、そのことを違和感として考える人も多いんですが、否。それは楽しみなのだよ。
楽しめるかそうではないかはその人の度量経験次第。そう思ってます。最初から狭い猟犬で食べ物と対峙すると損するよ。自分で稼いだお金でせっかくの外食してるってのにさ。
そして、こういう方向性の味、欧風のカレーの味ってのはブレが少ないとなんとなく感じているんです。兎にも角にも凝った美味しいやつが出てきてくれちゃって驚いたなあ。おいしかった。