先日、小貝哲夫さんにご招待をいただいたのです。冒険家である小貝さんが温めていた構想が形になった時きました。
「inuksuk」イヌクシュク」
という不思議な響きのブランドネーム。エスキモー系民族のイヌイットなどカナダ先住民の言葉。なんだろうと思ったんです。ケルンのようなものの、石を積んだオブジェのようなものの写真が会場にありました。意味は「人のような」というもの。人型をした道標的なものらしいんです。旅人である小貝さんらしい命名。ロマンティックだな。
ブランドマークはピンク基調の柔らかなイメージですが、実物のinuksukは路傍にある石を積み上げた無骨なもの。あえて中性的なイメージを狙ったそうです。
パラグライダーで世界を飛び回る飛行家でカヌーイスト、写真家でもある小貝さん。冒険と撮影の日々を送る中での知見を集めたオリジナルイクイップメントを考案、展開することとなったんです。バッグブランド、と言えばいいのかもしれないね。
新装のショールームに出かけていくと小貝さんの日本での愛車、ホンダのエレメントが停まっていました。なかなかお目にかかることも多くない海外生まれのホンダ車。これ、今だからますます輝きを増しているクルマ。リアゲートを跳ね上げて特注のバックドアテントを展開してあります。こらも「inuksuk」のプロジェクトの中で生まれたもの。専用設計ですごくフィットしています。
店頭には小さな吹き流しのアクセサリーチャーム。空飛ぶひとらしいねえ。ショールームはコンパクトなれど濃厚。ちょっと秘密基地っぽいテイストとも感じさせてくれてなんだかワクワクとします。いろいろと面白い話しが聞けましたよ。
「inuksuk」イヌクシュク」はアップサイクルを意識したブランドでベトナムのファクトリーと密な関係を築き、残反などを上手に使ったエコロジカルなプロダクトを企画製造しています。上質、丈夫なそのファブリック、聞けばアウトドアブームでぐっと存在感を増したタクティカルチェアやコットで有名な海外メーカーのファブリックそのものだったりするらしい。ええ〜!驚いた。
どうりで見覚えがあるブルータイガーカモだと思ったんだよね。わたしの手元にあるアイテムと同じものか。なるほどそうだったのか。あれと合わせてみたいなあ。ブルータイガーストライプってそんなにアイテム多くないしやってるトコ少ないんです。たちまちどれを買おうかとお財布の中身と相談(笑)
素性が確かなヘビーデューティなファブリックを使ったアイテム、製品としてリリースされたもの、サンプルなど面白いものがたくさんあったよ。コインケース、キーケース、財布などの小物からヘルメットバッグ、バックパック、大型のボストンバッグなどバッグ各種あります。サンプルも小貝さんが現場で使っては日々ブラッシュアップしているとのこと。
カメラバッグが印象的だったんです。パラグライダーの飛行家である小貝さんらしい、胸に固定するカメラバッグ。これ、登壁ではない山なんかでも使い出がいいのではないかしら。ミリタリー系のモールシステムなども機能として織り込まれ、システムアップできるんです。胸に一眼レフを固定し、その横に熊スプレーという装備なんかね、いいよね。ちょっと欲しくなる。最近山に入るとクマが怖いから。
小貝さんのSNSでチラ見せされていてどうしても現物を見たかった背負い籠。これ素晴らしかったなあ。ベトナムの一次産業の現場で現役で使われている実用アイテムを軸にしてモダンにブラッシュアップされた収穫籠です。実にシャレていてセンスがいいんだよね。
籠部分は重厚な造りで実用品の趣が気持ちを惹きつけられます。背に当たる部分に他の製品と同じく丈夫でモダンなファブリックを使ったり、肩紐ストラップ部もモダンで機能的なバックパック的なものが使われていて。これはいいなあ。欲しくなるなあ。
おもしろかったのは「〇〇い棒ホルスター(仮)」。これからヤオキンに許可もらうそうなのでサンプルですが、遊び心あるよねえ。ハンドガンのマガジンポーチ的なやつで、これ同じようなサイズ感の携行食を入れるにもいいと思う。シャレでも実用でもいけるやつ。たしかに〇〇い棒、バッグやザックに入れておくと粉々に、とかあるもんな。
子供用まであってね、作りが少し華奢なやつ。そっちは子供のお小遣いで買えるくらいにしたいなあ、、って。
そういうの、すごくいいじゃありませんか!
他にもいろいろなサンプルがたくさん。
特に気に入って製品化されたら買おうなあ、と思っているのが「ギアボックス」。サイズが小さい方は「ランチバッグ」。これはいい、ほしい。わたしはクルマ移動が多いんですが「ギアボックス」、いいんです。助手席のにもつってちらばりがち、ブレーキで足元にばら撒かれがちなんですよね。で、シートの隙間とかに入っちゃったりシートレールに挟まっちゃったり。あれ引っ張り出すの手間なんだよな。
ドライブ中に取り出したいアイテム、いろいろあるじゃないですか。ハンカチとかウエットティッシュとか。カメラとか携帯電話も手元に置いておきたいし。そういうものをまとめられるやつです。あと、みち行きの途中でスーパーとかコンビニに立ち寄りたい時に財布と電話とあと買い物したものを入れるバッグ欲しいんだよね。
これよくできててね。面ひとつづつにワイヤーが入ってて広げると自立するんです。クルマのウィンドシェードであるでしょ。あれの進化版です。しっかりしたファブリックを使ってあるのでペラペラの安っぽい感がなくて乱暴にギアを放り込んでも大丈夫。畳めば薄くなって車内で邪魔にならないし。ああ、これ数年前の北海道半月車中泊の時に欲しかったわあ。買うぞこれ。
「Mero Mero」ブランドは小貝さんのオリジナルではなく、取扱製品。2016年フランス生まれの日本初公開ブランド。創業者は女性でパタゴニアのマーケにいた経験があるアウトドアサイドにいるひと。子育てのなかでアパートの4階まで階段の往復をしする中、赤ちゃんと買い物袋をうまくコントロールできるバッグを考案。そこから始まったブランドだそう。
子供にもフォーカスを当てた、しかしあまいだけだったりファブリックだけのものではない製品を届けることを旨にしているんです。いいね、いい。
もうひとつ、これはいいねと購入したのがロールアップ式の「コードケースL」です。
外出や出張でばらけがち、入れ忘れがちな各種充電アイテムをまとめられて一覧性をもって収納できるロールタイプケース。
早速福岡出張に使っているんです(いま飛行機の中でこの記事を書いているのだ)。お気に入りのブルータイガーカモを選んだよ。
なかなかに使い出がいいです。
驚いたのがショールームにつくなりポンと手渡された小型のバックパック。「はい、プレゼント」と小貝さん。えええ?!
なんでもプレオープンのそのまたプレの内覧会に10人ほどを誘ったそうで、その参加者に向けてわざわざ作ったのものなのだって。
もういちど驚いたよ。とんでもないことだぞこれ。
内覧会用にしっかり、かっちりとした製品もかくやというクオリティのバッグを作ってプレゼントしてしまう。なんということ!小貝さんの遊び心やもてなしの気持ちが否応なしに伝わってきます。翌週早速外に持ち出してハイキングに使いました。使い出がいいし小さく便利なサイズ感でわたしよりも女の人が好みそうな雰囲気。いいねえこれ。
こういうのがさ、強いんだよ。
こういうひとがやってる、その人の経験と思いがフィードバックされた製品。その人は冒険家。そりゃあ欲しくなるってもんだ。ストンと腹に落ちて、信頼して買えるなって、そうおもいます。
「inuksuk / イヌクシュク」、期待していいと思います。