カレーですよ5413(太宰府 Curry&Cafe 茶話 / さわ)心温まる古民家カレーカフェ。

 

太宰府にいました。失礼ながら特に思い入れを持って訪ねたのではなかったのです。しかし、それでも。

 

 

カレーですよ。

 

 

出張で福岡、天神あたりにいたんですが、14時過ぎにぽっかりと時間ができました。取材(思うより早く完了)、腹具合(いっぱい)、飛行機の都合(21時発である)を照らし合わせて少し電車にでも乗ってみるか、と考えたのです。知らない土地で知らない電車に乗るのは楽しいから。そうだ、あの水色の電車がいいか。

西鉄に乗ってみるかと思いついたんです。14時半くらいだったかな。はじめは海沿いを走る電車ということでJRの特急で大牟田あたりまでと考えたんですがちょいと危険を感じました。飛行機乗り遅れはちょいと避けるべき事態。それで地元鉄道である西鉄にも乗れるし程よい移動時間でもある太宰府へ行くことに。特に受験の予定はないんですが。

電車が良かったんだよねえ。乗り換えた電車がシャレててね。すてきなラッピングでとてもカッコよかった。駅も驚いたなあ。太宰府天満宮に電車でそのまま盛り入れちゃってるような朱色の欄干やら照明やら。かっこよくて驚いた。

太宰府天満宮は予想以上に楽しめました。延喜五年(九〇五)の太宰府天満宮の始まり、数度の焼失からの再建、現在の本殿は天正十九年(1591)に造営されています。安土桃山時代の豪壮な建築様式が430年以上経った現代にそのままの形で、という奇跡です。

そんな歴史のある敷地の中の巨木が素晴らしいんですよ。太くのたうつ立派な幹の表面は苔や草で覆われて、まるで竜の背中のような様相。

これは本当に見応えがあったなあ。

お参りももちろん。

本殿は令和九年の「菅原道真公一千百二十五年太宰府天満宮式年大祭」記念事業の一環で124年ぶりの大改修の最中。令和八年くらいに竣工予定のようです。現在は仮殿がその前に設えられていました。仮殿、なんかおもしろい。モダンなんですよね。演劇の舞台のようでもあって。神様、御神体であるところの鏡が中央にむき出しで安置されているのがちょっと驚いたな。さあ、手を合わせます。

家族のことでお願いをしたんですが、頭が良くなっちゃったらどうしようなど思いくすくすと笑いながら参道を外れます。そうではなくて、今現在は健康をつよく望むんでありますが。とはいえ頭の回転が良くなるのも大事かあ。

 

なんてことを考えながら参道を背に本殿の裏手に出ました。するとカレーの文字が目に飛び込んできたんです。道真公のお導き。

 

「Curry&Cafe 茶話」

 

という名前のお店です。

和風の作りの古民家リノベーションカレー店。わたし的には古民家というよりももう少し新しい、子供時代の実家や友達の家など思わせる作り。しかし客観視すればこれも古民家で通るのだとも感じます。それはつまりわたし自身が古く、歳をとったとないうわけだな。

大変快適な店内。座卓もありますが、畳の上にテーブルを置いた席もあって、足を捻った都合からそちらに案内してもらいました。奥様、大変親切。感じが良いんです。親切でうれしいな。

さて、カレー。2種類あります。

その名も「太宰府カレー」、そして「ドライキーマ」。都合よく

 

「欲張りダブル」

 

というのがあったのでそれに決めました。

わたしは欲張り。特に出張の時は顕著です。破裂するまで食べます。

ドリンクとサラダのセットも合わせてみました。

 

太宰府カレー

なかなかにおもしろいなあ。甘酸っぱ苦い、という第一印象。濃厚に煮詰めたトマトとタマネギでぽたっとさせています。チキンはばらけて繊維になるまで煮込んであるね。なかなかに個性的で好ましいカレーです。なんでも梅とマーマレドを入れてあるそうで、なるほどサワーアンドフルーティはここからか。とてもいいなあ。

 

ドライキーマ

甘くしない正義というのがカレーにはあると思っているんですが、これがそうだね。トマトと挽肉のワイン煮込みを土台として仕立てられています。こちらもぽったり気味。ほんのりと痺れの感と味噌のようなニュアンスを感じさせるんですよね。気のせいかな、第一印象です。これまたおもしろい仕上がり。これもいいねえ。

どちらもちゃんとこの店ならではがあって納得いきます。サラダもベーシックなれどきちんとしており満足。ピクルスもおいしかったね。

ごはんの上に梅干しが乗っていたり、太宰府カレーのカレーソースの上に配した枝豆が天満宮のシグネチャーである梅の形になっていたりと土地やバックボーンを意識させてくれる、楽しませてくれるこだわりが見て取れます。

飲み物で選んだ梅サイダーもよかったな。自家製の梅ジャムを沈めてあってそれがとてもおいしい。

とても落ち着く快適な時間を過ごすことができました。出張の最後を締めくくるの人実にいい塩梅です。ホールのご担当の奥様が料理をきちんと説明してくださり、目配りもしてくれていながらも放っておいてくれるという距離感。居心地が良いです。

太宰府天満宮の裏手にあります。立ち寄れば幸せにしてもらえるよ。

 

 

追記

そうそう、それはそうとあんたたち、心字池の三つの赤い橋、戻って来ちゃダメだってば。インバウンドさんたちかしら。業を持って帰っちゃうのね。知らんけど。歴史のある神社は鎮守の森が素晴らしいので行くとなんかうれしいよね。