驚いたのです。少し前にオリジナルのグリーンカレーでびっくりさせられたばかりなのに、こっちもますます良い、すごい、好き。ボリュームと満足感がすごいのは同等です。
カレーですよ。
12月の1週目と2週目にわたしのラジオにゲストをお招きしたボサノバユニット「櫻姫」のおふたり、姫野さんとかおりんさん。両日とも1曲づつ演奏していただいて、選曲もさすがのセンス、大変に心に残りました。
そんな折にかおりんさんが手土産をくださったんです。カレーです。
「櫻姫」がたまにライブをやっている東銀座、歌舞伎座隣のカレー店、
「蜂の家」
のオリジナルカレー、これがもう、大変なものだったのです。
小さなパックなんですが、手に取るとずしっと重たい。もうここで期待感がぐいっとね。外装のペーパーパッケージにはお馴染み「蜂の家」のロゴマーク。佐世保生まれらしさがよく出ている舵輪と羅針盤がデザインされているクラシックで素敵なもの。
で、これがさ、もうすごくおいしいの。甘旨いのであるよ。こういうの、たまらないのであります。
古今東西、カレーという名のつくご飯にかけて食べるもの、その幅は大変に広く望洋たるものを感じます。要するに果てしなく境界線が広いためその定義が決めづらく曖昧にも感じられるということ。昔風の喫茶店の塩味で決めたカレー(CoCo壱番屋の味の祖でもある)、インド亜大陸周辺のお作法のもの、それをアレンジして日本に引き寄せたもの、デミグラスやフォンを使って作る洋食レストランのもの、黄色くて粘度高いクラシックカレーライス。最近流行りの出汁カレーにスパイスカレー、スープカレーに蕎麦屋の南蛮。上げればキリがないよね。
そんななかで「甘いカレー」というのがあります。お子様向けではない、しかし甘い味が土台にあるカレーライス。大阪クラシックスというジャンルもあるし、それとは違う系譜のものもあるようです。このジャンル、好きなのよ。
わたしは甘いカレーが大好きなんです。この「蜂の家」の、
「佐世保カレー」
がそれです。
メイドイン佐世保のこれ、「蜂の家」の代表の櫻澤さんが惚れ込んで東京に持ち込んだ気持ちがすごくよくわかるものです。粘度が高く、食べ応えがあり、その甘さとごろりごろりと入った美味しいチキンでなんともはや幸せな気持ちにさせられるからね。こんなのを幼少の頃に食体験としてかぶってしまった日にはもう後戻りができないでしょ、そりゃそうだ。ちょっと魔性が入ってますよこれ。
甘いカレーと言っても不自然な甘味ではなく、きちんとバランスがとってあってだからこそ、その甘さにこちらも甘えてしまって痛い目に遭わないというものです。そんな味だなあ。
「ごちそう感覚」が大きいのは前に食べた蜂の家オリジナルグリーンカレーと同様。「すごいのを食べてしまった」「ごちそうを食べてしまった」という感が強く残ります。
パッケージの原材料名をみていくのが楽しいんだよね。鶏肉、たまねぎ、トマトケチャップ、カレーフレーク、砂糖、パイン、しょうゆ、トマト、カレー粉、リンゴ、ガラスープ、にんにく、、、、秘密が思う存分見えてしまうのですが、これをいかにまとめるかは秘伝なわけで、そここそがお店の腕前、カレーの楽しいところ。
よくもこの味を長崎・佐世保から歌舞伎座の並びに持ってきてくださったと感謝に絶えないのであります。(これは本家オリジナルです)
ああ、また食べたくなってきてしまった。困った困った。
困ってないで日比谷線に乗らないと。