カレーですよ5443(神保町 ボーイズカレー)取材の、まえとあと。

ちょいとお久しぶりになってしまったな。マスター、お元気かしら、と立ち寄ってみたんです。

 

 

カレーですよ。

 

 

実はマスターと顔を合わせるのはちょっと気恥ずかしいかったんです。なんなのかというと取材のお願いをしたことがあるから。楽しい取材だったし得るものは大きかったんだけど、なんだかきまり悪いのです。取材というのはなかなかに難しくてね、でもそれが面白い。色々細かい話しは端折るのですが、普通のテンションでは取材という形での話しは聞けない、と思っています。わたしだけかもしれないけどね。

そのときのわたしは普段のわたしとは少し人格が違うのだと思います。いや、明らかに違うな。普段のわたしよりも少し言葉数が多く、少しおせっかいで聞きたがりで、少し変なテンション。知らない自分が憑依していると思います。

そのあとに原稿書きが始まります。これもまた取材の時とは違うんです、やはり変なテンションなんだよ。自分のことを憑依型ライターと認識していますが、こういうのは職業ライターとしては向いていないと言わざるを得ない、しかたがない。こういう人間は作家になればいいんです。まあ、簡単な話しではないけどさ。

そういう感じで、特に自分の大事に思っている行きつけのお店で取材なぞさせてもらって、後日素になってお店にカレーを食べに行くと気恥ずかしいんだよこれが。しかしなにしろ大事に思って通ってるお店なので行きたいのはやまやま。そんなせめぎ合いをしながらなんだかの折にぽんっとチャンスがやってきてやっと行けたりします。色々と苦労が多いなあ、あたしのカレーライフ。

そしてやってきた

 

「ボーイズカレー」

 

久しぶりのマスター。

たとえばなんですが、コックさんとお客。歳をとるにつれ、どちらが先に音をあげるだろうなあと考えることがあります。どちらが先にフライパンを振れなくなるのか、どちらが先にいつものハンバーグが食べきれなくなるのか。やっぱり通わねばいかんなあ、と思うんです。

マスターを見て、歳とったな、と思った。それはつまりそれ以上にわたしも歳をとっている、ということだよね。だからね、だからこそ。

つまらないこだわりはどんどん捨てて、行きたいところに行って、会いたい人にあって、顔見たくない奴には一切時間を使わずに、もう少しの時間を楽しくやっていきたいと思っています。

しかしやっぱりカレー付きハンバーグはうまいなあ。まだまだあたしの胃袋でも食べ切れるぞ。