ちょいと慌てていたのです。なにしろバスで3〜40分かけてたどり着いた駅、次の列車の到着まで30分を切っているから。見送れば、その次は1時間数十分の彼方となるんです。
カレーですよ。
そんなことも見越してバスの中で一所懸命食事ができる場所を探していました。が、しかし。うーん、どうやら街道、バイパスの方に出ないとお店を選ぶというわけにはいかないらしいなあ。だったら一択、駅から数分の唯一の店としましょう。しかしただ仕方なく選んだわけではないぞ。なんか良さそうだったのです。
ここいいなあ、と思って他は、、、と思ったらみんな駅から離れてる(笑)。なのでちゃんといきたいと思って選んだのです。ただもう、そういうことだっただけであるぞ。
お店の看板にカフェとあるのですが、どうやらお客たちはうまい洋食店として認識、利用している様子。いうことがないね。当然カレーもあるだろうしね。
「カフェ サンペイ」
というなんだか膝カックンだけどこの場所にしっくりくる名前。いいと思う。
マダムが席に案内してくれました。なんというのかなあ。囲まれ感というか、穏やかな羊水の中というか、そういう落ち着いた安心があります。のんびりしていっていいんだよーという声がどこからともなく聞こえます。そういうのがあるのに急ぎであるからして。なんとも切ない、致し方ない。我が家から3時間の彼方であるからねえ。脱出がいちばんの優先順位なのです。珍しく電車なのです。
メニューにカレーが、、、おやおや、、、
おーっとあった。ヒヤリとしましたが、ドライカレーとカレースパゲッティがあったよ。よかった。では、
「エビドライカレー」
お願いします。
厨房からカタコト、トントンという音が聞こえなくなってしばし。エビドライカレーがやってきました。おや、お値段控えめなのになんか豪華。皿の数が思ったよりも多いとやっぱりうれしいのよねえ。そうか、サラダとスープがつくんだね。これで950円はなんだか申し訳ない。時間があれば飲み物も別で頼んだんだけどなあ。
ドライカレーは品よく使われたカレー粉の主張があまり強くなく、良バランス。エビがきれいに並んでいるのがご店主のこだわりを窺わせます。こういうのいい。うれしい。マッシュルーム、ピーマン玉ねぎと由緒正しき喫茶店ピラフ的なバラエティにうれしくてニヤリとしてしまいます。甘めの色の薄いたくわんも大変によく合うね。
そしてスープが美味しかったんですよ。すごくおいしい。ああ、おいしい。どうやら椎茸だしのようで、実にいい塩梅の優しさと旨みの奥行きで夢中にさせられます。これはおかわりが欲しいなあ。大変なものだよこれ。ドライカレーに少しかけて混ぜるとこれまたたまらぬ旨さ。まいったまいった。
そんな感じで時計を気にしつつ、しかしうまいのでそっちに気を取られつつ。あんまりそそくさと席を立つのもなあ、など思いながらも成田線の時間を確認しつつ。
マダムに「もうちょっとゆっくりしたかったです。おいしかったし。でももう電車来ちゃうからー」など要らぬ言い訳をしつつ駅へ急ぎます。少し余裕があって息を整えられる程度はホームに立っていられたな。
さて、電車旅の続きだよ。