幡ヶ谷の「カレーの店 スパイス」にはわたしの日常があるのです。自宅からは40分ほど離れてしまっているけどね、しかし日常がそこにある。
カレーですよ。
毎日毎週通っているわけではないのですが、しかし絶対にわたしにとっての必要な場所であり、味であり。
なので、なくなったら本当に困る場所なのです。本当に、心から。
「カレーの店 スパイス」
はそういう存在。エゴイスティックなことを言えば、わたしの生きている間はやっていてほしい、と思っています。こころから。
結局いつも通りになる注文、
「エッグ入りポークチキン」
はもう何度食べたのだろうなあ。数えられるわけもないくらい食べています。どれくらいわたしの腹の肉になったのだろう。それもわからないくらいだな。
3種類のカレーソースが用意されるのですが、どうしてもポークとチキンを選んでしまうんです。たまにはビーフを、ともおもうのだけどね、いや、最近ではもう脊髄反射的に「エッグ入りポークチキン」と口が動くのでビーフに辿り着ける予感がまったくありません。辛口のチキンと甘口のポークの絶対的幸せがやってくるコンビネーションから逃れられない。そういうことです。
わりといつでも、テーブルで食べなが「弁当を買って帰ろう」と考え、試みるわけです。実際そうすることもたまにあるんですが、そうではないの。それじゃだめなの、と警告も心の中に響くわけで。何度かやっている手口というのがね「ポークチキン」の弁当を買って帰ってごはんと一緒になっているポークカレーはそのまま食べて、別容器に入ったチキンカレーのソースを冷凍にしてその後楽しむというやり口。
しかし、これは違うな。違うんです。これではダメなの。わかっているけど少しするとやってみたくなるんだよな。でも、ちがう。あそこで、あの場所で、おかあさんに水を注いでもらいながら食べるのがいいのだよなあ。こればっかりは変えられないんです。
思うに食の好みやらなんやらは、実は味と同じくらいに場所や人に紐づいているのだと考えています。そちらもあって初めて「自分の好きなもの」が完成されるんです。これは、なにがあっても崩れない。
理屈じゃないんだよね。