カレーですよ5450(新小岩 藤本食堂)深夜の兵站を担う場所。

遅い時間にカレーを食べるのはなかなかに難しいのですよ。チェーンの牛丼屋に行けば済むんだけど、それもなんだかなあ、と思う夜もあります。

 

 

カレーですよ。

 

 

遠方からの帰り道、珍しく鉄道利用でした。そろそろ部屋に着くんですが、快速に乗っていたので乗り換えの必要がありました。そんじゃあその乗り換え駅で遅くまでやっているお店を探してみよう。新小岩で下車してみたよ。

新小岩、今も昔も根っこは変わらないのよね。やっぱり猥雑で、ちょいと薄汚れた感があります。町ではなく人が、というところもあるかもなあ。そういうのが実は尻が落ち着くんであるよ。あたしも生まれも育ちが下町城東地区であるからね。古くから近所に住んで知っているものの感想はそんなものだとおもう。

歩いているとこんな時代にいわゆる輩が幅を効かせる場面を見せられたりするわけで。あ〜あ、と思います。ボロい飲屋街も昔ほどではないけど未だ健在。そんな場所にあったお店、

 

「藤本食堂」

 

がよかったのです。

あとで調べるとデカ盛りがどうとかいう掻き込みが多いお店のようす。入るとスナック風でいい感じ。おじさんだかおじいさん2人がギターを抱えた女性を囲んでおしゃべりをしています。ほおほお、そんな感じか。

悪いなあ、と思いながら聴覚補助機器のボリュームを下げました。音階がわからないわたしには音楽はちとつらいのです。ただ、その光景には心惹かれるものがあるな。きっと良いものなのだろうと思います。スナックに流し、と実にいい感じのこのお店はもちろんお酒が飲めるわけですが、メニューはどちらかというと洋食店のそれに近いかしらね。なるほどなるほど。

メニューから「おや、これは?」と思った

 

「オムチャーハンカレー」

 

を注文します。なんだそれは、であるがおもしろいじゃないか、ねえ。レモンサワーなど頼んでみます。夜は飲み屋さんの雰囲気だから、やはり1杯くらいは頼まねば失礼かと判断するわけです。それよりなにより飲食店に於いては飲み物の注文はお店の応援になると思っているからね。

さて、やってきたすごいやつ。なるほどこりゃあデカいぞ。

チャーハンはしっとり系でむぎゅっと詰まった感じ、おおいに食べ応えがあります。おなかにずずんとたまっていく感じ。オムレツ、いいな。ふわふわと仕上がっていますけど流行りのたまごが流れ出る感じにはしていないの。こうでなくてはいけない。こっちが好きだよ。

カレーもいいんです。難しくしない、いじりすぎない正しきカレーライス。とにかくその三要素のシンクロ率が高くてね、なぜだかまとまりがあるんです。きっちりとおいしいやつです。多分チャーハンのごく薄味に仕上げたところが功を奏しているのではないかしら。カレーソースとケンカをしないんだよね。いいねこりゃ。飲みながらこういうデカ飯もいいじゃんね。

 

気づけばたちまち腹いっぱい。米粒一つ残さず楽しくいただきました。わたしの後からも遅い時間に助けを求めてメシを欲してやってくるお客が後を絶ちません。腹へり新小岩民のちょっとした野戦病院のようなものだなこれは。

新小岩という夜の戦場で兵站を担い炭水化物補給所として機能する素晴らしきお店なのです。