カレーですよ5509(下北沢 茄子おやじ)チルアウト。

 

そうだ、せっかく下北沢にいるんだから「茄子おやじ」に行こう。ずいぶんと行っていないなあ。あんまり行っていなかったので「茄子おやじ」と「まめ蔵」が、下北沢と吉祥寺が記憶の中でごっちゃに混ざるくらいであるぞ。

 

 

カレーですよ。

 

 

場所もうっすらになっちゃってた。そうか、この路地だったっけか。忘れちゃってるなあ。いかんなあ。

お店に入ると下北沢らしい男の子、女の子たちが忙しそうに立ち働いていました。良い空気が流れています。ホールのメガネのスタッフさんがハキハキした感じで気分が良かったな。先代の頃も懐かしいな。

こういうお店に来ると頼みたくなる、

 

「ビーフカレー」

 

ビールセットでいただくことに決めました。

カウンターの奥で一息ついて、ビールをひとくち。ああ、ホッとする。歩きまわったので外の湿気には少々閉口していたからね。冷房とビールで生き返るなあ。天国のようだよ。店内、所々に絵が飾ってあるのがいいですね。疲れているからなのか、気持ちを持っていかれるのを感じます。心地いいな。

サラダを突きつつビールで口を湿らせます。ちょいと見回すとカウンターの端なので本など置いてあります。ちょっとタイトルが興味深いのよ。「ジャッキーチェン大百科」と「喫茶とインテリア」という本が同居しているのが楽しい。面白チョイスだねえ。

入り口に置いてあるレコードラックも覗いてみたくなりました。やっぱりなんかいいよねえ、独特の空気感があるね、

 

「茄子おやじ」

 

はやっぱりいいね。

おっ、カレーが来たよ。

そうだった、これだった。平らな皿に平らに広がったカレー。この感じ「やあ、久しぶりだね」と声をかけたくなります。独特の美学で盛り付けられたカレー。花の形のにんじんがかわいらしいねえ。

カレーはふんわりとした輪郭の、甘い欧風という感じ。なんというのだろうね、写真で言うとピントがずれちゃってるのとはちがう、レンズの特性で甘くふわりとした描写性、のような感じかな。いくつかある喫茶店のカレーの種類のひとつの到達点かもしれない味。

みんなが頷く甘さ方面に振った愛らしい味です。こういうのはなんというか、つらいことがあった時、自分を甘やかしてあげる時に食べるといいと思う。今日のわたしです。よかった、よかった。なにかあるとカレーはそちらからわたしのことを迎えにきてくれる気がしています。

お肉のビーフも良かったなあ。甘いカレーによく合う、しつこすぎないけどビーフらしい手応えがあるお肉。納得がいく感じ、とでも言いましょうか。

喫茶店のカレーにもいくつか流れがあると考えているのですが、塩味とブイヨンで決めたあれではなく、こういう欧風の、でもがちがちではないちょい手前あたりに着地させたカレー。大好物なんであります。

喧騒の下北沢でスッと涼しく穏やかな空気に切り替わるこのお店、貴重な場所だと思うよ。

追記

どうやらマンガの舞台として登場しているらしく聖地的混雑もあるようなんですが、わたしは潮目の境に当たったようで店内、凪いでいました。幸運だったな。カレーが出てくる頃には満席になったけど穏やかで静かな雰囲気はそのままでした。マンガのファンの子達、いい子たちということかな。