カレーライター仲間の田嶋さんからの情報が入るんです。ネパール料理の店舗情報なら田嶋さんが信頼できるからね。
カレーですよ。
そんな田嶋さんからの情報、地元亀戸の情報を見ておっと思ったんです。どうやら移転で亀戸にやってきた「マックセ ダイニング&バー」という店がいいらしい。ほおほお、なるほど。
わたしとしてはいくら小林さんだろうが田嶋さんだろうが自分の感覚が「ぴくり」とこないと動かないのですよ。いい悪いではなく、単純な好みの話しなんだけどね。好みの説明はすごく難しいです。説明しきれないと思う。ずっと長く積み上げてきた中で醸成された感覚みたいなものだから。
それで、何気なく見た田嶋さんのSNS投稿に「ぴくり」ときたんであるよ。ここはいいのではないかしら。行ってみるかな。なにしろ近かったし。とにかくこの猛暑、外出にも注意を払わねばいけない外気温と湿度であるわけで。自転車で10分かからぬのならいうことがないわけです。
熱風吹き荒むひとっこひとり歩いていない亀戸の路地を日陰を数珠繋ぎにして自転車でたどり着きました。亀戸駅からは歩けばおよそ5分ほどかな。取り立てて特徴のない駅前から少し離れた路地の角。可もなく不可もなく、の外観をよーくみると「おや?」というポイントがいくつかあることに気づきます。
これを見逃さぬようお店探しなどするわけですが、今日は田嶋さんオススメという担保があるからね。
「マックセ ダイニング&バー」
に気楽に入れます。
まず「こりゃいいな、いいんじゃないか」とピンときたのはメニュー。はじめのページに導入ということでネワールのことがちらり書いてあり、そのあとまっ先にネパールの地元料理から始まるという構成。「インネパじゃないのよ。ネパール料理がメインだからね。プラスでこちらはサービス、インド料理もね。」と意思が伝わってきます。
インド料理はおまけ的に後ろの方にまとめてあるのは、それはつまりきちんと自国の料理を胸を張って勧めているということ。とても好ましいですね。誇りというものを感じます。こうでなくっちゃね。
メニューは昼夜共通のグランドメニューのようですがランチで頼みやすい量と内容ということで定番、
「ダルバトタルカリセット」
としました。
ベジ、チキン、マトンから選べるのですがどれも1000円を切っており大変に良心的。ベジなんて790円(!)ですよ。松屋に行ってる意味がない。わたしはチキン(890円!)を選びました。
ブラウンレンティルのダール、これ、いいなあ。ほんの少し発酵筍のようなニュアンスがあります。風味深くこれはすごくおいしいぞ。ただの豆煮込みではないしいわゆるカレーでもないのがね、素晴らしい。
チキンは骨付きぶつ切りに惚れ惚れ。そうそう。こうじゃないと。とろつかずさらりのチキンのネパール鶏煮込みの風情。これまた素晴らしいもの。
ミックスのアチャール、これとんでもないぞ。グンドゥルックに近い酸味の強い発酵味がするんです。風味も深く広く、日本の酸っぱい漬物にもニュアンスが似てるかも。クセは強いよ。だから好みは分かれると思う。が、ニッポンの漬物だって同じではないですか。わたしはこれが好みだよ。
トマトのチャトニも旨み強く、タルカリの青菜炒めは苦味が効いていて他の料理とのバランスがいいですね。いろいろと圧巻でした。これは大したものだよ。町中のインネパレベルとはまったく違う(あっちはあっちでニッポン現地化という観点でスキ)。異国の見知らぬ料理として楽しめるし、良いものです。
しかもホールのにいさんが親切で優しくてね。どこもかしこも心地よい、きちんとしたネパールレストランでありました。ほぼいうことなしのお店がまたも徒歩圏内にできてしまったなあ。これはちょいと集中して通わねばいけないな。
田嶋さん、ありがとう。