カレーですよ5571(千葉 印旛沼安食 カレーハウス マチャン)利根川岸の異形。

「マチャン」であるぞ。このあいだ行った茨城の行方麻生にある「マチャン」ではないんである。どちらが先なのか、兄弟店らしいんです。わたしはこちらの方を先に知っていました。

 

 

カレーですよ。

 

 

はじめて見た時はとにかく驚いたんです。だってさ。

利根川のほとり。取水施設とかなにか河川事業の事務所的な場所と佇まいの建物、飾りっ気のない四角柱の3階建てで、3階には2面つながりで広く窓をとった土手の向こう側が見渡せる観測室的な場所もあって。

そこにスリランカ国旗がはためくこの違和感。なんという好物件を発見してしまったのか、と胸が躍ったわけです。最近ではそういうときめくようなお店を見かけなくなったねえ。はじめからわくわくする、ひと目見てとにかく行かなければと心臓が高鳴る。そういうお店が少なくなった気がしてます。意図して驚きを作る店はあるんですが、こういう天然物はなかなか最近では貴重品でしょう。

さて、日曜の14時。余裕だろうと思って店に着くとなんと満席。あらら、どうして?とホールをのぞくとスリランカンのメンズが楽しくパーティ中。ああ〜これはこれは。そんじゃあ、と少しクルマで待つことにしました。20分ほどではたしてテーブルがひとつ空いたみたいだったからお店に入りました。愛想のいいスリランカンのホールのにいさんが入り口側の席に案内してくれて注文を聞いてくれます。

 

「スリランカンライス&カレー ビーフ」

 

というのを注文しました。キャンティーンないしホームスタイルのワンプレートだね。さてなにがのっかってやって来るかな。

程なく、みるからにボリュームがあるひと皿がテーブルに置かれました。おお、これは手強そうだ。

 

これ、ハールマッソーの、、ウェンジャナかな。

煮干し、めちゃくちゃ旨いんです。煮干しと高菜のスパイス炒めのような感じかしら。煮干しの旨みが深く強く引き出されていて日本人の舌が反応せずにいられない味わい。たまらんなあ。塩強めですが他のおかず、ごはんと混ぜるとそいつが効いてくるわけですよ。これはいい。唸るおいしさだぞ。

ビーフはドライな炒め煮。久しぶりに牛肉のクセのようなものが味、香りに乗り異国料理感が高まります。これも旨いな。ちょっと安めの牛肉のちょい固め、クセありというこの感じがこういうメシにはよく合うのよ。いい、いいと思う。

パリップ、大変に大変に良いです。これはおいしい。手放しでオススメできるよ。ココナツミルクの甘い香りが幸せを運んでくれます。かなり水分少なめでそれがまたいいですな。これは良いなあ。とても好みだなあ。

ポルサンボルは特筆したいです。本来は当たり前なんですが、とにかくきちんとフレッシュで作り置きしない正直な良いもの。日本ではなかなかこういうフレッシュなやつに当たらない気がしています。トマトが効果的でいいアクセント。ココナッツファインと葉っぱとトマトの刻み和え、とでも説明できるかもしれないな。これがないと始まらないわけです。

ワッタッカーはカボチャのココナツミルクとカレーリーフ煮込みです。これ実に実に甘うまい。甘いだけじゃなくふんわりスパイスが香るのも食欲をそそります。これも混ぜメシ要員として優秀。ああ〜おかわり。おかわり欲しい。

パパダンからごはん(ちゃんとランペのこまかい短冊が混じるよいもの)まですべて真面目ですべて旨いんです。こりゃあ素晴らしい。きちんと熱々のごはんなのも珍しいと思います。とってもいいぞ!

 

全体で言うとパンチ強く香りよく。甘い、辛い、酸っぱいがちょこっととほんのり苦味。みんなあります。そして量が多いんだ。パーティの狭間で忙しいところ作ってくれたのでもしかするとその分の勢いが乗っかってる可能性もあるかなあ。でもまさにこの量はスリランカでコックさんに「チュッタ!チュッタ!」と伝えたくなる(少なめで〜の意)大ボリューム。現地のキャンティーンさながらです。

 

宴もたけなわのお隣さん、穏やかな紳士が「ごめんなさいね、うるさいでしょう」なんてジェントルに詫びてくれます。いえいえ、とんでもない。とても楽しそうでこちらも楽しいですよ、と答えます。実際気がつけば日本人はわたしだけで、10数年前のスリランカ・マウントラビニア1ヶ月監禁のことを思い出しておもしろかったな。

 

実は少々音がきつく、しかし我慢できぬほどではなかったからどうというほものことではないんです。いよいよつらくなったらAirPods Pro2を耳に押し込んでいつものノイズキャンセリングを使えばいいだけだからね。造作もないってもんです。

大変な満足だったなあ。

 

帰りがけにお会計であのホールのにいさんに「このあいだ茨城のマチャンにも行ったんだよ」と写真を見せたらすごく喜んでくれました。忙しそうだったので、この不思議な物件、旧「取手下流川砂採取協同組合」の建物になぜスリランカレストランが入れたのか、聞くことができませんでした。

次回、必ず。