ビリヤニにもうひとつ思い入れがないわたしです。たしかに旨いしごはんものはなんでも好きなわたしであるのだけどね。なんでなのか、自分でもよくわからないんです。
カレーですよ。
なんでだろう、と考えてみるに、流行りに対するへそ曲がりとか天邪鬼ではなくて、どうやらわたしはやっぱりカレーのひとなのだ、という結論に至ったんです。要するに煮込み料理が好きで、かけごはんが好きなのであるよ。お汁がかかっていないとイヤなのであります。色々と自分の嗜好に照らし合わせると納得がいきました。
スープカレーがあまり好きではないのがね、多分ごはんにかけるなと強要されるのがイヤだったから。スープにごはんを浸して食べるのが正義とか言われて「勝手にさせろ。なぜ食べ方を強要するのか」と怒りを感じかことがありました。あれ以来どうもスープカレーの店に積極的に行かなくなったなあ。「そのほうがおいしいから」と親切風を装いいってくるやつが信用ならないんであるよ。だってさ、舌なんぞひとりひとり全員感じ方が違うものだもん。当然であるぞ。
そんなこんなでグレイヴィがついてたりついてなかったりするビリヤニというやつを1番に選ぶというのはあんまりなかったわけです。しかし、もちろん、あれってばやっぱり旨いものなんであるなあ。そしてコーラを合わせろという話しは頷けます。ちょいと水分が足りないと感じるからだな、きっと。
で、そんなわたしなんですが、すごいおいしいビリヤニの店を見つけたよ。
「ダッカビリヤニ」
というお店。スリランカ弁当店「オカスバカレー」もあるお花茶屋に位置するバングラデッシュレストランです。ストレートに土地の名前とビリヤニというシグネチャーを前に出しているのが気に入りました。そういうのは分かりやすくて好みなんであるよ。ベタすぎるのもあれだけどね。
さっぱりした飾り気ない店内は好感を覚えます。気分がいいな。壁の天井に近い位置に黄色いテープが貼ってあり何か書いてあったんです。なにかなあ、とよーくみると「南/South」とありました。東の表記も別の壁に。これはあれかね、メッカの方向を探す参考なんでしょうかね。斜め前ではムスリムキャップをかぶった立派な髭の紳士が上品に手食をしています。店主とにこやかに歓談したりしていい感じ。
さて、ビリヤニの時間だよ。
「マトンカッチビリヤニ」
を選びました。
カッチだパッキだハイデラバーディだと色々ありますが、旨けりゃいい。日本人の、あたしの舌で旨けりゃあなんでもいいんです。そうじゃない?(幅広く色々なものを食べて見識を深めるあっちとはまた別。しかし根源)
グレイヴィ部分、旨い。タマネギの甘みとねっとり感、旨みの奥行きに乗っかってやってくるチリのぴりりと辛く引き締まる感じ。ああ〜これはおいしいなあ。トマトあたりかしらこれ、酸味が旨味に変換されてが舌を掴んで離さないんです。これは幸せ。まったくもって旨いです。
お肉はワイルドな骨付きぶつ切りのマトン、これもいいな。ごはんに隠れてちらり顔を覗かせている姿、主張はそれほどしてこないのだけど噛みついてやると実に旨い。うーん、いい。
サラダは千切りにんじんきゅうりでほんのり酸っぱくしてあって、チャットマサラ的硫黄のにおいちょっぴり。いいバランスです。これはビリヤニに混ぜてやるといいな。こんな感じを錦糸町の「アジアカレーハウス」でおいしくなるのを体験済みなので混ぜるのに躊躇はないわけです。いや、混ぜるべき。
ジャガイモが入るビリヤニは都内ではあまり見かけない気がするんですが、これまたいいの。ちょっと粉吹き的な食感で美味しいしよく合うねえ。なるほどこういうやり方があるのか。
お見事、大変な満足感です。
他のメニューでテハリとかプラオとかもあってごはんもの充実なのがいいなあ。バルタもすごい種類。
もちろんカレーもあるので早々にまたこなくっちゃな。