買い物にやってきたのです。銀座は久しぶりだな。最近では深夜にクルマで通りかかるばかりだったからね。昼間の銀座、新鮮だなあ。
カレーですよ。
やっと建て直しが終わったサエグサビルもすこしのぞいてみることにしました。ご存じ、Apple Store銀座が入っています。日本の旗艦店にして全世界で初の海外ストアです。しかし、Apple Store銀座には僅か10分しかいなかったよ。新しいラインナップを見て本当に心が動かなくてそういう自分に愕然としたから。実用品なわけで必ず買うことになるんですけどね。ないと仕事にならないから。
そんなことがありつつ三越でお買い物。祝いのおいしいものをいろいろ買って散財、散財。さてお昼時。実はナイルに行こうと思っていたがんですね。ところがおやおや、やっていないぞ。定休日は明日ではなかったかしら。では、と
「デリー銀座店」
に方針変更。こちらも久しぶりになりました。
銀座店はやっぱりいいお店だよなあ。改めててその価値に気付かされます。落ち着きがあってモダン、なんとも快適。シャキッと背中が伸びるような空気もありつつかしこまりすぎないのがいいですね。上野店とはまた違う魅力があって、使い分けが楽しいな。しかもランチ、破格です。
銀座でこの内容で、こりゃあ間違いなく破格。改めてこんなにいいお店は銀座広しといえどもそうないんではないか、と思うわけです。いや、断じて言い過ぎではないよ。忖度なしだ。食べればわかるよ。それで、注文は、
「スペシャルダブルコンボランチ」
にします。カレー2種を選べるセットです。サモサ、パパド、サブジとタンドリーチキン、サラダとキーマカレーにライス、チャパティがつく超充実。ごはんの量もしっかりあっておなかがグイッとでっぱる満足感。カレーは「シャーヒー」と「カラヒ」を選びました。上野店では頼まないあえてのチョイスとしてみたよ。これが大正解。
カラヒは濃厚なのにトマトの味わいで軽やかな仕上がり。素晴らしきこのバランス感。コルマとすこし向いている方向が似ている(濃度や粘度)のでカラヒxコルマの組み合わせはやめてみました。正解だったと思うな。うちの奥さんがコルマ頼んだからひと口貰えるというのもあったんだけどね。これがメインディッシュ。
シャーヒーはお気に入りのスープです。表層的にはカレー粉スープという言い方をする輩もいるかもしれない。が、それはちょっとちがいますね。ココナッツが加えられヒングで個性を出したおもしろいものなんです。出汁の旨みが大変に結構で美味。ごはんにかけずとスプーンが進むニクイやつ。
さらりとした粘度低いスープ状なため後入れの具材の存在感が前に出るのも面白いのですよ。オクラなど、選んで使ってるのだなあ、と食べてわかる食感や味、香り。素晴らしいね。こちらをスープとして扱ってみます。
そんなふうに考えるととワンプレートがコースのように楽しめるんだよ。スープがあってサラダがあって、前菜にサモサとサブジがあって、なんてね。それにメインのお肉のタンドリーチキンとカレーがカラヒ。あとで飲み物とデザートにクルフィなんか頼むともう完璧なコースです。
そうそう、今回うちの奥さんが頼んだ10月の月替わりカレー「マトンとひよこ豆のカレー」がね、もう出色の出来で。テーブルの説明書きにはこんな一文がありました。
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インドの町場のレストランのマトンカレーをイメージしました。グレービーには、煮込んだマトンの出汁を使い、そこに具としてマトン、塩茹でしたひよこ豆、旬のさつまいもを加え、スパイシーに仕上げました。さつまいもの甘さも引き立つ、秋の季節にぴったりのカレーです。
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いやなるほど。おっしゃる通り。
さつまいもが効果的だよなあ。見事に味の差し色になっているよ。センスを感じます。
とにかくマトンのエキスが絶妙なバランスで全体に回っており風味豊か。マトンの複雑さを上品に抑え込み雑味ない洗練も感じさせる味です。いやこれは本当に良かったなあ。
タンドリーチキン、ちょっと他にはない仕上がり。上品でなめらかな舌触り。焦げひとつない皮目。こういう仕上げのタンドリーチキンがあるのかあ、と目から鱗です。以前何度も食べて知っているはずなのに食べる度いちいち驚かされるねえ。サモサも良いものだったよ。皿の隅に少し添えられたキーママタールがまた嬉しい。いいねえ、本当に価値がある。
十二分以上の満足感。これでランチ、2000円でお釣りが来るというのだから頭が下がるります。
いったいどうなっているんだこれ。