
いい印象が強くあって「穴場、見つけちゃったな」とホクホクしていたのですが、が、が。
カレーですよ。
食料品店併設の食堂が好きなのです。アジアの食堂ではそういうパターン、よく見かけるよね。もちろんいろいろなのですが、なんとなく共通するのは素朴な味のもの、あまりいじってない、素材の良さを活かした素の料理とでも言えそうなものが多い気がしています。

飾りっ気ない感じっていうか、そういうの好きだなあ。
「ダス ミニスーパー」
はそういうお店。ググッと圧縮された密度高い陳列の乾物や冷凍食品が店の中に詰まっている食料品店です。その端っこを壁で仕切って廊下のようなスペースを作り、テーブルを3つほど並べたのが「ダス ビリヤニハウス」でした。でした、なんて過去形にしたのは「ダスビリヤニハウス ミニスーパー」の中の件のイートインスペースがなくなっていたから。あらーなんということだ!と嘆きつつ並びに大きなガラス窓のインド料理店があったので看板を見ると。


あ、
「ダスビリヤニハウス」
って書いてある。あらら、なんだなんだそうだったのか。人気集中で狭い3つの席だけではお客さんを捌き切らなくなったようで営業拡大、というところかしらね。ああ、ほっとした。やっぱりここに移ってもビリヤニ、1000円でお釣りが来るんだよ。うーん、すごい。


メニューは少し整理されたりディナーメニューとランチメニューで分けたりと改変が少しあった様子。さてでは、
「チキンビリヤニ」
を。うちの奥さんは「野菜ビリヤニ」にしたようです。
例によって土鍋でやってきました。いいねこれ、これがなんだかうれしいのです。ふたをあける高揚感みたいなものがあるじゃない。鰻重みたいなものか、ね。きっと同じビリヤニでも倍くらい美味しく感じるのではないかしら。プラシーボ効果かもしれないけど。


ふたをとると以前と盛り付けや構成が少し違う、かな。前は肉の上にグレイヴィがかかっていて細切りのニンジンが散らしてあった記憶があります。コックさんが変わったかな、それとも。あ、メニュー写真も刷新されてるね、それに準拠という感じでしょう。


このビリヤニ、まず喉越しがいいんだよ。ごはん相手にへんな物言いかもしれないですが、そういうふうにしか表現できないんです。喉を通る時に快感を感じるのよね。スーッと流れて入る心地よさ、あるなあ。これはなんだかすごいです。味はちょいと辛めに決めてあって節度があってエッヂも立ててあるという良バランス、よいものだなあ。

チキンが旨い!旨いです。下味の付け方上出来で肉はほろりと仕上がり感心させられます。タンドリーチキンの美味しいやつに近い仕上がり、かな。このビリヤニにも合っているキャラクターだと感じます。これはなかなかのもの。
スープもついてきます。グレイヴィではなくスープだったよ。印象はカレー粉スープ、という感じ。チキンスープにスパイスミックスで香りと味を調整という風情でこれまた悪くないなあ。ビリヤニにかけてやったけど味の変化はあまりない感じでした。食感が少し変わって、これはこれで楽しいものです。下の写真は野菜ビリヤニ。これもすごくいい。
こんなにいいものが出てきて、ホールのにいさん、日本語があんまりできないみたいだけど愛想良く感じよくて、ドリンクのサービスまでしてくれて。いうことがないお店ですよ。

以前の廊下営業のとき、テーブルに敷かれた透明のビニールテーブルクロスの下のメニューはビリヤニとライスアンドカレー、モモという構成でした。ライスアンドカレーがライス ダル チキンセットとライス ダル マトンセットとなっていてなんとなくダールバートなのではなかろうかと思っていました。食べずじまいで終わったのは悔いが残ったなあ。
ネパールディッシュという項目もランチにはなくなっていました。トゥクパやモモなどがあったはず。新しいカレーメニューは普通のインネパ風のナーンとクリームをぐるぐるとかけまわしたカトリの写真になっておりちょびっと寂しさを感じました。

それとたった200円のエクストラチャージで「Unlimited rice & dal」というのができていたが表記は無くなっていたなあ。こんな昨今これはもう致し方なし、とは思います。良いお店になったんですが素朴さが薄れたのは少し残念に感じます。あ、これはああいうのが好きな人間のぼやきなので気にしないでね。
なんにしろ通うし、ディナーメニューを期待しているのよね。きっと何かあるぞ。
