
洋食屋が好き。ハンバーグ、エビフライ、カレーライスにビーフシチュー。料理の名前を書いているだけでニヤニヤしてしまうよ。
カレーなしよ。
食堂から高級レストランまでレンジの広さもいいなあ、と思います。同じ洋食でも財布の中身、その日の懐具合でお店選びができるのはありがたいよねえ。そしてあたし、おカネがあるないではなく食堂系、洋食屋が好きなのです。肩肘張らず、気軽に自由にメシを食う。こういうのびのびした自由さは比べようなくうれしいものです。

よく立ち寄る錦糸町のはずれにある、
「ハンバーグ&洋食 ベア」
はお気に入りのお店。キリッとしてかっこいい老大将と細身のちょっと雰囲気のあるホールの妙齢美女。壁の手書きメニュー。テーブルのカスタマーセットがきちんと整理されて据えてあるところに生真面目さを感じたりします。うーん、ドラマの舞台ようだなあ。


注文は表の「本日のサービス」の看板で決めていたのです。
「Bランチ」
をください。
この日のBランチはハンバーグとチキンカツ。それに白メシと味噌汁がつくシンプルなセット。これにして正解だったよ。旨かった。チキンカツはバリッと仕上がっており、そこにカラシが添えられます。うんうん、いいね。やはりこういうカツにはカラシが欲しいね。衣ザクザクの肉ふわりで上出来です。ああ、おいしい。


ハンバーグ、これまたいい。ローレルやナツメグの香りが控えめに香り、奥ゆかしくもバランス良いのです。ううーん、これ旨い。ふわりとした食感は今風ではなく、それがチャームポイントになっています。こっちのほうが気持ちにするりと刺さるねえ。ハンバーグにかかったケチャップベースの甘酸っぱいソースもすごくいいんですよ。こういうのが欲しかったんだ。こういのがいいの。こうじゃなきゃダメだな。


味噌汁もしっかりと旨いもので、白メシも文句なし。この内容で1080円と実に良心的です。
おなかも気持ちもあったまるなあ。


当然長いなどせず、食べ終わってお茶を飲み干したらさっさと立ち上がるのです。そういうお店だと思うから。それが客としてカッコいいと思うから。しかし、でもね、ささっと食べて席を立ったんだけどなんだかゆっくりさせてもらった気分なのですよ。結局そういうふうに思わせる何か、客と店のシンクロ。そういうのがあるかないかだよねえ。


定食屋は、外食は、そこに尽きるのではないかしら。
