
どうやら勘違いをしていたらしいんだよ。そのお店には来たことがなかったんだよ。情報と記憶に翻弄された感じです。しかし良いカレーに出会えることになったので、オーケー。
カレーですよ。
ニュースで読んだんです。(https://kasukabe.keizai.biz/headline/1048/)ずいぶん前なんですが行ったことのあるお店があと半月ほどで閉店になるらしい。そうかあ、あそこに行ったのはけっこう前だけど残念だなあ。とはいえ場所は近所ではなく、足繁く通ったわけではないからなあ。そういう時はわたしは最後の席を遠慮することに決めています。

強い思い入れや店主との関係なんかがあれば別ですが、最後の席はそのお店の近くに住んで大事に通った常連さんに譲るべきだと思っています。
それで、そんなニュースも忘れた1週間ほどあと。たまたまその近くを通りかかって、たまたま昼飯を探していてその名前が地図に出てきたんですよ。ははあ、これはご縁か。そうかそうか。タイミング的に昼のランチの時間はとうにまわっていて、ランチとディナーのはざまの16時。都合のいいことに店は通し営業。誰にも迷惑をかけずに最後のカレーを楽しめるね。埼玉杉戸にある、
「珈琲といんどかれーの店 たんぽぽ」
そう思って行ってみると、どうもむかし行ったあの店と違うんだこれが。

あれれ、こりゃあ勘違いだったかあ。そうか、そうかもしれない。うっすらの記憶を辿っていくと久米川の「あうる」(もう今はない)とその印象が混ざってたようです。うーん、なぜなんだ?歳をとるとはこういうことか。うひひ、、


それはさておき注文です。勘違いとかそこらへんはどうでもいいの、目の前にカレーメニューがあって選択を迫られてるわけです。
そんなもんは選ぶしか、食べるしかないのだ。
「チキン南蛮カレー」
にしました。インドカレーもあったけど、やっぱり看板のオリジナルを食べてみたくって。

オリジナルカレーはバターの香りが強く香る横風仕立て。タマネギ焙煎でフルフルのカレーソースでした。欧風も色々とあるわけなんですけど、ボンディ風ではなく、西荻窪スプーン的でもなく、古いホテルで出てくるカレーのさ、シチュー派生のあの感じ、あるじゃない。あれだなあ。


ものすごく乱暴にまとめると荻窪トマトのあの方向とボンディ的な何かの中間に着地させた味かなあ。そう考えました。
もちろん荻窪は特別にして唯一無二。同じものはひとつとない前提あってのこの例えですが。


こういうタイプのカレーにつきものの苦味は本当に奥のほうにほんのりあるだけ。そこがボンディ的と思わせる部分かも。食べ終わりの切れ味と引き換えにふんわりした抱擁感を伴う乳脂肪の揺籠に揺られる時間がしばらく続きます。そこに意外やピリリと辛い味が舌に残り「ずいぶん後からからさがくるなあ」と面白く思ったり、ね。こういう奥のほうにシチューがあるカレーライスはとても好きだなあ。


こりゃあいいカレーだわ。なくなるのが惜しいお店です。
なんでも人手不足、材料費高騰等のご多聞にもれぬ昨今の飲食店の苦境の理由が列挙されていて胸が痛みます。それで賃貸期間の満了を切りとして閉店を決めたそう。とはいえ厨房施設や規模感で見合う場所があれば再開も考えているらしいよ。

店じまいは4月5日、まだほんの少しだけ時間があります。どうかご店主に幸運があるよう。それと、ご近所の人、どうぞ行ってみてね。
