
定食屋さんとかそういう類のお店がとても好きです。そういう場所でしか摂取できないエキスとかが確実にあると思っているからね。
カレーですよ。
定食屋さんなんてのはだいたい偶然見つけることが多いんであるよ。わたしが多く体験するパターンは、アテにしていたカレー屋がやっていなかったりなくなっていたりの時に代替え案として発見、では入ろう、なんて流れが多いです。まさにご縁あって、だよね。今日もそんなふうにしてこのお店に辿り着きました。
「キッチン プルプル」
は「なんでプルプル?」と思ったから入ることにしたんです。聞き忘れたけど。

まずは外観がいいよなあ。実に雰囲気ある昔の喫茶店、洋食店の風情があります。商店街の路地の奥という感じの立地も落ち着いた雰囲気を醸しだしていて好ましいです。いいな、いい。とても好きだなあ。間違いなく腰が落ち着くお店だと伝わってきます。

では!と入ってみるとまたまた店内もいいんです。椅子もテーブルも年季が入っていて落ち着きがあって心地いい空気。天井から下がる照明のシェードなど、昭和中頃の雰囲気あるデザインで調度品なども色々含めてまるで時間が止まったかのような風情。これはおみごと。

外に出て電車に乗ったら1980年の東京に帰れるんじゃないか、という空想を止められません。実家に帰ったら生きている父と若い頃の母に会えるんじゃないか。そうやって夢のような数日間を過ごしてまた電車に乗ってここに帰ってくると駐車場代は2026年のままなので5万円とかな。
とにかくこの空気感、椅子に深く沈んでいくような居心地の良さを感じさせてくれます。実際にはかたい木の椅子だけどね(座り心地はいいぞ)。カツカレー、エビフライカレーなど色々あって迷いつつ。では、
「ドライカレー」
をください。


サラダと味噌汁、飲み物もついて800円と驚きの値段。ええ?やっぱりここは1980年か?うれしくなりますねえ。安いからうれしい、もあるけれど驚いて楽しい、だからうれしいという感じ。


ホールを仕切るお母さんはキリッとした表情の女丈夫という雰囲気で信頼ができます。おまかせすればいいようにしてくれると思う。店内は13時をすぎても7割がた埋まっているという繁盛店。家族連れなどもいるのに落ち着いててざわつかないのがまた気分いいなあ。


やってきたドライカレーは、これはもうなんというか、ドライカレーとしか言いようのないもので、当たり前で、普遍的で、これ以上でも以下でもいけないというど真ん中の味。そうそう、これ。こういうのがいいの。この空気の中この味を喰らうんです。もう納得すぎて言葉がありません。バブルよりずっと前、高度成長時代が落ち着いた頃の穏やかさ。そういうものがありました。


サラダがきちんとしているのもいいよねえ、うれしいねえ。ホワイトアスパラガスなんかがはいってて、実に洋食店らしいクラシック。
レトロだ懐かしいだではないんですよ。現役店だからね。生き残るべくして生き残ったものがそこにある、そういうことです。そういうものを大事に楽しむんです。最近そういうものをそっと探すのが楽しいんだよね。
