ちょっとご無沙汰の戸越あたり。いいタイミングで通りかかりました。
いいタイミングとはランチタイムのこと。よし、カレー食べよう。
カレーですよ。
カシマさんは趣味人なんだけど、ちょっと自由人っぽいんだけど、絶対真面目な男だと思います。
喋っているとよくわかるんだよ。
そんな彼が作る料理も彼そのもので、真面目で遊び心もある良い料理。そんなふうに感じるんです。戸越の、
「ストン」
は本当に良いお店。
さっぱりとした気持ちのいい店内。心地よい空気。シンプルなメニューとバランスよく旨いカレー。そしてカシマさんと奥様。どれが欠けてもストンでは無くなる、そんな感じがするんです。
さて、注文。おや、メニュー。へえ、こういうのあるのか。
「チキンムグライ」
にしてみよう。
いつ見てもスーッと片付いた気持ち良さそうな厨房でカシマさんが手を動かし始めます。お客さんもぽつぽつと入ってくるね。地元の人だね、あのこなれた感じ。
そういうのも含めてみんないい具合に心地よいんです。
程なくカレー完成。さあ、今日のカレーの時間だよ。
まずこの外観がいい。カレーライスがやりたいんだろうなあ、と思わせるストレートで飾りない、でも自信たっぷりの外観です。
カリーとかインドとかそういうんじゃない気がするんだよ。ごはんでカレーなんだと伝わるものがある。食べるとその感がますます強くなるのです。
食べる前からいいカレーなんだよ。
チキンムグライ、クリーミーリッチでふくよかな口当たり。
鶏肉、すごくたくさん入っていて、なおかつほろっほろでいい感じだな。とてもよい仕上がり、煮込まれ具合。
口元に持っていったスプーンからほんのりとマスタードオイルの香りがやってくるのがここちいいんです。
ライスにきちんと合うチューニングが施されていて、どうにもスプーンが止められない。うーん、本当にいい。
そうかあ。こんなによかったかあ。よかったよなあ。そうだったよなあ。おいしいなあ。
カシマさんのカレーは軽やか。
チキンムグライはメニューの説明で濃厚、の記載があるのだけど、確かにクリーミー&リッチであるのだけど、それなのに食べ口が重たくなく、さらりとしているんです。これは本当に素晴らしいといつも思う。
他のカレーに関しても軽やかさと言うものがあると感じます。
それでいてうまみが、奥行きが足りないわけでは全くない。バランスがとても良いということです。
こういうタイプのカレーを探しても簡単に見つかるものではないでしょう。
カシマさんならではの、彼のカラーがちゃんと料理に出ているのだと思う。
五反田、戸越辺りの人たちはとても幸せでうらやましいよ。