ちょいとプルジャさんに聞きたいことができまして。仲が良いので聞きやすいというところもあるんですが、それ以上にプルジャさんの村の話とかその世界観、姿勢が好きなので、そういうフィルターを通した話を聞いて文章に起こしたいという気持ちでだったんですよ。お話し、聞きにいきます。
カレーですよ。
この日この時間は駐車場がどこもいっぱいで往生しました。珍しいな、こういう感じ。ぐるりとまわってちょいと離れて止めることができました。さて。
久しぶりの
「プルジャダイニング」
は13時をまわっているのに結構な盛況ぶり。店内2/3が埋まっていて人気の高さが窺えます。たいしたもんだねえ。ヌンさんがわたしに気がついてくれて席に案内してくれました。厨房のプルジャさんに手を振るとほどなく作業を終えて出てきてくれました。
きょうはグンドゥルックの話しを聞きたくてやってきたんです。なので、注文は
「グンドゥルック・カナ」
定食でまずグンドゥルックのジョールを食べることにしました。「グンドゥルックのことを聞こうと思ってね、、」と言ったら「いっしょにグンドゥルックの炒め和えもどう?」と教えてくれました。そうか、そういうのがあるんだ。もちろんもらうことに。そちらは一緒に入れるものとして幾つか提案があったんですが、なんとなく一番合いそうな里芋を指定。さあ楽しみだ。
まずは腹ごしらえ。グンドゥルック・ジョール。うーん、うまい。ジョールということでスープ仕立てというわけです。ごはんにかけられるのが好きな理由。
グンドゥルック自体それほど扱いが多いわけではない珍しい食材なのですが、そのなかで、東京のネパール料理店、扱いのある幾つかの店で食べ比べたんですけど、やっぱりプルジャさんの味が好きだなあ。好みだなあ。
菜っ葉の発酵乾燥野菜をスープに溶いて作る赤い汁。これが酸っぱくて奥行き深くてうまいんだよね。ごはんにももちろんよく合うのでご機嫌です。
炒め和えの方も上出来の味。なるほどなあ、これおいしいなあ。お酒のつまみに良さそうだなあ。ごはんによく混ぜておにぎりにしても良さそう。上手なアレンジでクセなく、しかし濃く深く、野趣が感じられる素晴らしいものでしたよ。
グンドゥルックはからし菜や大根の葉を使ったネパールの発酵乾燥野菜です。発酵は乳酸菌発酵。お漬物としては珍しいものカウントされるでしょう。
お塩を使わない漬物はわりと珍しいものなので、海外ではネパールのグンドゥルックの他に中国で「酢菜」という白菜の酸っぱい漬物がある程度。(酢菜は東京では神田、御徒町などにある中国東北地方料理の店「味坊」で食べられるのだ)
日本では新潟県に「いぜこみ菜」、福井県に「すなな漬け」長野県に「すんき漬け」などがある程度です。あまり一般的ではないようですね。韓国のキムチは乳酸菌発酵ですが、お塩を使うのでまた別のもの。
ネパールは山岳国、厳しい自然環境の中で食品保存など考えればこういう形になるのは必然だと感じます。そしてその必然、同じような環境下であれば国が変われど同じようなものが出来上がるという面白さ。それが岐阜のすんき漬けなんです。
プルジャさんにすんき漬けの話しをすると目の輝きが増し、わたしも見に行ってみたい、といってます。根っからの研究家でもあるのです。
そういうところが好きなのよね。話しが合います。
「グンドゥルックはシンキとも呼ばれています」とプルジャさん。おやおやこれは!
「すんき」と「シンキ」これはもしかしてピラフとプラオトポロの話と同じではあるまいか。ね、そうじゃないかな?
名前の近似性、どんなつながりがあるのか、ルーツを調べてみたいものです。
それにしてもプルジャさんの料理はやっぱり美味しい。みんなおいしい。
とにかく食べにいかないとダメだなあ。もっといかなくちゃ。