カレーですよ4508(御徒町 湯島 デリー上野店)「昭和35年のカシミールカレー」の実力とバランス。

すごいやつが上野店の日替わり金曜メニューにやってきたんです。すごかったよ。びっくりしたよ。

 

 

カレーですよ。

 

 

上野御徒町にくれば思い出す、、、というか、いつでも食べたいカレーがあります。わたしはそのお店ではあのメニュー一本槍。

「コルマカレー」。好きだなあ。大好きだなあ。

さて、御徒町、湯島の、

 

「デリー上野店」

 

に立ち寄ったんですが。

冒頭で書いた通り、すごいやつが上野店日替わりメニューの金曜日にやってきたんです。噂には聞いていたんですが、いや、別にってね。だってコルマじゃないし。とか思ってたんですよ。

もうメニューを見るとかじゃなくて御徒町駅を降りるとすぐにとかじゃなくて、家を出るときにとかじゃなくって。もうね、布団の中で決まってます。それくらい言ってもいい。それがわたしにとってのコルマカレーであり、コリャウマカレーであり、一切変更なし!な訳です。

それでね、この日はなんとなく、なんとなくふとした気の緩みから頼みました、別のやつ。驚きました。それが、

 

「昭和35年のカシミールカレー」

 

2020年はカシミールカレー60周年記念。そして「昭和35年のカシミールカレー」こそがアニバーサリーイヤーの記念復刻メニューなのです。また凝ったことをやるものだなあ。ファンはうれしいよなあ。そんな感じでまだ他人事でした。カシミールカレーはわたしの天敵であり(ウソ)わたしの愛するコルマカレーのちょうど背中合わせにいるような立ち位置のものすごく辛いサラサラのカレーです。

昭和35年生まれのカシミールカレーのストーリーです。

本当は生まれた当初、その名前をマドラスカレーと名付けられていたのですが、メニュー表を発注するときに誤表記、マドラスと記すところをカシミールと書いて注文してしまって、ではそれそのままで、というこの話しは好事家の間では有名なエピソード。おおらかですねえ。

このデリーのものすごく辛いカレー、ゆっくりとでしたが徐々に火がついて大変な人気になりました。それで、人気になれば真似をして作る店も出てくるわけです。面白かったのはその人気カレーを真似をした人たちがそんなエピソードを知らずに真似をするから名前までそのまんま。それって真似をしましたよ、というラベルを自分で自分に貼りつけてしまっているようなもの、という滑稽な状況になってしまったわけです。そんなおおらかな時代を経て、今では日本の辛いカレーの代名詞的になりつつあり、それはもはやジャンルになりかかっているのではないか、とすら思えるカシミールカレーです。

閑話休題。

さて、その昭和のカシミールカレー、最近とんと食べていなかったカシミールカレーなんですが、食べればなるほど、昔のカシミールはこんなに違ったか、と感じるものがあるんです。わかっちゃうよね、元々のカシミールがとても個性的だから。小さな変化にも敏感に気づいてしまうんです。

比べていくと、まず色は黒までいかずの茶褐色。香りにパンチ感じるのはガーリックからかしら。レギュラーより香りが立つ感じがします。これは気のせいかもね。

大きく違いを感じるのがいつもより感じる甘みの幅といつもよりも抑えられた苦み部分。レギュラーのカシミールより旨味の強さと行き過ぎずバランスする感じの強い辛さ。ああ、これいいかも。

煮込まれた野菜や果物の量が今のカシミールよりもより多かったのだとか。それを再現している故、甘みの要素を感じるのはそこからということかもしれません。それと苦味を抑えたところからくる印象もあるかもしれない。野菜、果物の量で苦味が緩和されたかな。公式アナウンスでは辛さは変わらず、とのことなんですが、それら理由からもう少し穏やかに感じますね。いや、これはおいしい。これはいいものだよ。

添えられた甘酸っぱいごぼうが実にまたよく合うんです。昭和のカシミールを口に運び、さらにいつものやつ、テーブルに置かれたタマネギのアチャールをシャクシャクと食べて辛さを後押しして、そのあとにこの甘いごぼうを口に入れたりじゃがいもを食べたりで口の中の辛さの調整を自在に操るわけです。そう、あやつれるんです。レギュラーのカシミールよりもコントローラブルに感じる、実によい着地点。ああ、いいねえこりゃあ。

 

すぐにもう一度食べたくなります。そうだ、近々もう一度行ったときにパウチの製品版も買おう。