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もう4年ほど訪ねていっていなかった、甲府大里のお店があります。ひさしぶり通りかかっておじゃましました。
そうか、あの時と同じだ。甲府界隈で遅い時間に頼りになるということで探し出した、居酒屋兼カレーのお店。
カレーですよ。
そういう利点がまったく台無しになってしまった昨今のウィルス蔓延と規制。せっかくの夜の時間帯に強いというそのパフォーマンスを発揮できないまま20時でオーダーが止まってしまう。こればっかりは致し方ないんだよね。お店のせいじゃないし。
そんなお店の皆さんの気持ちを思うと歯痒くて気の毒で胸が痛みます。ここは、
「居酒屋&カレー 渡邊」
というお店。
こざっぱりしたモダンで温かみがある店内はあの時と変わらずでほっとさせてもらえます。カウンターがあって基本ひとり行動が多いわたしにはとても快適です。
居酒屋タイムでもあり、しかしクルマで来ているからビールも飲めずという状況でなんかちょっと気が引けます。
こんな昨今でもあるし、カレーだけだとちょっぴり申し訳ない。お金、少しでいいから落としたいじゃないですか。それで奥様がヒントをくれたので、カレーとトッピングにサラダもつけて。
2種盛りがあったのでオリジナルチキンカレーとチキンキーマカレーのダブルチキンカレーとしてみました。
サラダをつけて、トッピングをつけて、と少しでも客単価が上がりますように、とやってみて、それがどちらも正解で、そんなごちゃごちゃしたことを考えないでただもう追加するべきやつでした。サイコーだったのですよ。
さて、まずお料理ひとつめ、来ました。
すまなそうに「夜だからお通し代いただいてるんですよ。ごめんなさい」と奥様。いやいやいや、まったく問題ありません。夜は居酒屋さんだから当然のことですよ。しかもお通しがちょっといい感じの麻婆豆腐といううれしさ。これはいい、いいぞ。
サラダも出て、さあお次、カレーです。
前に食べさせてもらったのは、記憶だとカレーソースをごはんにかけた正調カレーライススタイルの盛り付けだったはず。おいしかったんだよね。今回いいろいろとあれから進化があった様子で驚かされました。
カレーのね、まずはごはんに驚いたんです。黄色いごはんはなんとジーラライスでありました。おやおや、こういう感じに進化中。いや、いや、こりゃあ悪くない。いいと思います。そしてきちんとおいしいんです。とてもいいんだよ。
キーマ、これが実に美味しいのです。とてもいいのです。ぎゅっと歯を押し返してくるひき肉の弾力とその中に隠れるホールのカルダモンの爽やかさ、クローブの甘い香り。ああ、これはずいぶん好みだなあ、いいものだなあ。
オリジナルチキンカレー、食べたのがずいぶん前であったので思い出せなかったんですがおいしかった印象は残っていました。そして今回食べたら期待以上に良かったんだよ。ホールのブラックペッパー使いが心地よく、トマト酸っぱくホールカルダモンが目を覚ます心地よさ。うん、なるほど！看板カレーがこれ。クセのない真っ直ぐな美味しさで日本人がイメージするインドカレーのよさがスーッと出ているさりげなくもクセになるもの。ああ〜よいねえ。好きだなあ。
トッピングで追加したスパムはちゃんと火を通し焼き目をつけパセリとオニオンみじんを乗せるという手のかけよう。丁寧にちゃんとやってらっしゃるのがわかります。
そしてせっかくなので取っておいた麻婆豆腐をジーラライスに乗せてやるわけですよ。麻婆豆腐が出てきた時点からこれ絶対やろうと思ってました。
そしてこれまた不思議なくらい違和感がなくて、合わせるととても美味しいたまらない。
うーん、よかった。まんぞくした。
奥様も旦那様も感じよく、優しくしてくださって本当に大変なこの時期に歯を食いしばってらっしゃるだろうに、と泣けてきます。
わたしはせいぜい年数回がやっとの距離。近所の皆さんで守ってほしい良店です。よろしくね。
わたしもまたカウンターの端にかけてあったおこちゃん作のヘラクレスカブトムシの絵を見るために出かけていきます。
