どうもこう、たまにふと思い出すお店があります。思い出すとほんのりと食べたくなる。そのほんのりが少しづつ溜まってコップが溢れるくらいのタイミングで訪ねていくと、とても幸せになれるのです。
カレーですよ。
面白い感じなんだよな。古い喫茶店のような趣ある店内。この雰囲気がとても好きで。なんでここにあるんだろう、という細い街道というか、生活道路の横にあって。駅からはちょいと離れていてまわりに商店はあまりなくて。
でも35年も続いているお店。続いているのにはわけがあるはずです。近くだったらもっと通うだろうなあ。
三郷の、
「インディ」
はそういうお店です。
そういえば新松戸、小金城趾にある「インディー28本店」もちょっと似た感じの立地と空気なんだよね。駅の横にあることはそれはそうなんだけど、そもそも駅前がほとんどない感じの駅にそっと寄り添って建ってて。
雰囲気のある店内で、壁のメニューを穴が開くほどみるんですが、やっぱり知らぬ間に口をつくのは、
「ドライカレー」
なのです。
ドライカレーというもの。大変興味深いものだと思っています。キーマカレーではなく、ドライカレーね。ここインディに来ると自動的にドライカレーを頼んでしまうのですよ。カレーライスタイプのメニューもカレースパゲッティもあってどれも魅力的なのですが、どうにもドライカレーを頼むんだよね。条件反射的なものがあります。多分あのグラデーションを見たいからなのだと思っています。
ごはんがいいんだよね。パリッとかために炊いてあって気分が良いんです。そのターメリックで色がついた黄色いごはんを薄く薄く皿に敷き詰めてあって、これがまたいいんだよ。喫茶店や洋食屋さんでたまに見かけるスタイルです。最近はみなくなったなあ。
カレーはなんというか、スパイスそぼろ。そういう気分なんですよね。そういう感じ。決め味の塩気を真ん中に据えてやって、そこにレーズンや甘酢タマネギ、福神漬けで甘みを加えてあげて。皿の上で自分の好みを作り出すわけです。これが醍醐味、たまらないのよ。
手作りのコールスローがまたいいんです。ドライカレーによく合うものでここでは欠かせないよね。
それで、いつも最後にアイスが出てきてびっくりするんです。いつも行っているのにいつもびっくりする。
これはつまりアイスが出ることを忘れるくらいの間が空いたタイミングで通っているということに他ならないわけで、毎度反省しきりです。
それくらいの距離で付き合っていて、だから長く長く好きなままなのだろうという予感がしています。
そういう感じが気に入っています。