【コラム】お腹が空かないと言うこと。空腹体験の不足。

心からぐっとお腹が空く。最近そんな体験が少ない気がしています。

 

空腹と言う体験、嬉しいもので楽しいものです。お腹がすいておへそのあたりがきゅっとなったりお腹がぐうとなったり、そういうものは尊いものだと思います。なぜそんなことを思うのか、それは昨今、空腹体験というのが薄いような気がしているからです。

 

そんな事はないよ、とおっしゃる方も多いのを知っています。しかし2021年という今、空腹を満たす事はあまりにも簡単で、どこにいても、どんなタイミングでも何かを手に入れてさっと食べる、そんなことができる環境です。いいか悪いかは別としてとても便利な世の中になりました。そしてその分空腹体験と言うのは少なくなってしまったような気がしています。

 

もちろん体に危機的状態が訪れるような空腹はいけないことです。

わたしは耳や三半規管の不調からなのか、以前はなかった空腹でのめまいのようなものが起こりやすくなているような感覚があって、意識をして空腹を気にするようになりました。食に関わる仕事をしているのもかかわらず、執筆などに夢中になるとそれこそ寝食を忘れてしまうこともあります。書くことが楽しい、リズムに乗るなどあるのですね。それで急に頭がぐらぐらすることがあって、しかしおにぎりひとつ食べてちょっと横になるとなおってしまうなんていうのもあったりします。

糖質の不足や空腹で倒れちゃったりするなんていうのは本末転倒。そういう空腹はからだの度を越しているということになりましょう。

体を動かし、汗をかき、腹をすかせ、そういう中で自分の体の限界や様子をちゃんと自分で把握できるような、原始的だけどすごく大事な力。そういうものを取り戻したいものだな、と思うのです。