【写真展】ジェットダイスケ写真展「俺のスマホ写真がアワガミと出会ったら中野で展示しないわけがない」を見に中野へ。

ジェットダイスケ氏の写真展に行ってきました。

中野のケンコー・トキナーのビル2階のギャラリー。たまたま人がいなくて大いにホッとしてゆっくり見ることができました。時間帯が良かったのかもな、帰り際に人がいっぱい入って来ました。

 

「俺のスマホ写真がアワガミと出会ったら中野で展示しないわけがない」

 

というタイトル。厨二病丸出し(笑)のこの長いタイトルをつけてしまうところなど、ジェットダイスケ氏のチャームポイントなのですよ。あたしゃ好きだね、この感じ。

この写真展、どうやらジェットダイスケ氏のスマホの中にある写真、スマートフォンで撮影した写真を、アワガミという名の和紙のインクジェット対応用紙を使ってプリントして作品として展示するという企画展です。

これがなかなか面白くてね。

https://awagami.jp/pages/aijp

アワガミ、いくつか種類があるようで、和紙のテクスチャーが美しいもの。種類の違うもの数種にプリント、作品として展示されていんですが、和紙独特の質感と漉き紙の特性、でこぼこからくる陰影がうっすらと写真に乗って面白い効果を生み出しています。

プリントしてマットを切って作品として完成されるけですが、その前にデジタルデータとしての完成もみているはずですよね。そこからさらに表現としての紙の質感の選択などから新しい作品に導いているというもの。そこがおもしろかった。

 

しかも、やはり食わせ者のジェットダイスケ(笑)、そのまんまでは終わらないんだよ。

用紙の中心ではない変な位置にプリントされてる作品もあるんです。中央に、とかそういうものではなくて。そんな作品を見ているとその余白から雑誌のレイアウトの仮組みを思い出したりします。なんか不安にさせる要素も感じます。

見てゆくと、紙からくる表現ではモノクロ写真の中間トーンと和紙の相性の良さを味わえるのを感じます。カラーなら空などのテクスチャーにひと味くわえらるのがおもしろかったな。

はじめは単純に写真と用紙の相性や質感の面白さとそれをどう利用して作家の意図の方に引き寄せているかというところばかり見ていたんですだが、その途中に違和感を感じて少し離れてみてみると、一気に自分のなかのいま見ていた展示のイメージが変わるんですよ。おもしろいなあ。

先ほども出た不安要素。縦横比、用紙の中でのプリントの位置、カラー、モノクロ、フィルター、ほんとうにスマホの中に入っていた写真を選んだのだなという不規則性とそれらのデジタルデータ以外の要素が絡み合って、不安定な要素を増幅しているのかいないのか、いやおもしろい。

プリント位置の違和感でゆらぎを作り出し、用紙の幅いっぱい使ってプリントしたものもあって、これも皆意図してのものなわけで。しかしその意図のなんたるかはわたしには見えなくてちょっと居心地が悪いんですよ。多分そこも体験としてのこの展示なのだと思います。

 

写真自体は穏やかなものばかりで、たまにくすりと笑えるようなものがあったり。「ジェットダイスケの日常」が写っています。そして作品を見て生まれた自分の心の中のコントラストがまたおもしろい。

意図もあればただおもしろいからというところからのものも見受けられ、引き込まれるのだねえ。

展示は終わりましたが、アワガミ、気になったな。

 

http://www.awagami.or.jp

https://www.kenko-tokina.co.jp/gallery/schedule/jetdaisukephotoexibition_202108.html

https://youtu.be/Etv8JCdQWjU