仕事がちょっと遅くなるだけですぐに夕食難民。そういう世界になりました。わずかに19時まで程度の仕事を終えてももうすでに選択肢は仕事場の近隣のみに狭まってしまい、 それさえラストオーダーに飛び込むような日々。報われぬ感にモチベーションも生産性も落ちてくってもんです。
カレーですよ。
こんなバカなことはないよ。わたしのように一人で仕事をしている人間はたくさんいます。同僚がいる職場だって何割が同僚と夕食を共にするのだろうね。おそらく2割いないはず。黙って食べてさっさと帰ればいいだけなのにこの状況。なんともはや、やるせない。
投票率の低下は情熱なき国民性ではなく政治は諦めて自分の力でなんとかしていこうという空気にあるのではないかと思っています。政治と銀行はもういらない時代となりました。
そんなことを考えながらの甲州街道上り車線22時、新宿。当然のようにクルマを回して歩道橋の下に着けるのです。カーンさんの顔を見ないでここを通り過ぎるわけにはいかないもの。
「パトワール新宿店」
は深夜0時まで弁当の販売を行っているんです。本当にありがたいよね。
文化女子大の隣という甲州街道沿いのオフィス街。難しい立地ですが深夜のパトワールを頼りにしているお客はけっこう多いのです。わたしもそのひとり。
顔を出すとカーンさんもコックさんもニコニコとうれしそうにしてくれます。こっちのほうが嬉しくなってきます。
注文、きょうはなんだかそういう気分になったんだよね。お弁当を2つ頼んだんです。
いや、それ食べ過ぎなんだけどね。いやいや、いっぺんには食べないけどね。
なぜ2つなのか。カレー、食べたかったんですよ。
パトワールでずいぶんカレーを食べていないなあと思ってね。しかしC弁当は捨て難いのだ。C弁当、カレーって書いてあるけどさ、あれはカレーじゃなくてC弁当。汁のもののカレーが欲しかった。だから2個買うんです。あしたも食べるんです。
せめてそれくらいしたいんですよ。1個ではなく2個にしたい。この店が好きでカーンさんが好きだから。10個買えないけどせめて2個買う。
でもここでややこしくなるんだよね。カーンさんはいつだってサービスをしてくるんだから。ジュース2本寄越してきたよ、今日は。マンゴージュースのペットボトル。せっかくお弁当2個にしたのになあ。目玉焼きも知らない間に1個追加してくれてるし。これはいかん。いかんのだけどカーンさんはいうことを聞いてくれない。こうなると誰もカーンさんを止められないのです。
だからね、こうやって皆さんにこの記事を見てもらって買いに行ってもらう。間違いなくおいしいから。それくらいしかできません。
この日の大根とチキンのカレーはカーンさん作。コックさんじゃなくて自分が作ったから食べてね、と伝えてくれました。これ、大変良かった。あまり甘さとコクに振らない、カーンさんお手製のパキスタンスタイルカレー。サラサラのカレーソースは香ばしく穏やかな味の中に香りで輪郭を作る大変よいものでした。
そしてC弁当、キーマカレーはあいも変わらずの美味しさ。これはなんというか、クセになるのだよ。いつでも食べたくて、通り掛かれば腹が減っている減っていない関わらず、買うのです。腹が減るのを待って食べます。それでいい。腹が減るのを待ちきれないで食べてしまうこともあるけどね。
カレーの味と、カーンさんの笑顔と、弁当の周りの事象すべてが愛おしい、深夜の新宿甲州街道沿いです。