さて!ひさしぶりの横須賀、追浜。前回のイベントから実に2年ぶり、でしょうか。
日産の広報様からお誘いをいただいて、追浜にある日産のテストドライブ施設「グランドライブ」へ。何度も足を運んでいますがここにくると毎回ワクワクするんです。なにしろ元々が日産の開発用テストコースですから。そういうのにグッとくるクルマ好きなわけです。
この日のブロガー/プレスイベント、
「日産あんばさだー はたらくクルマ3」
もうはや3回目で、毎回とても楽しい催しです。そしてこんな試乗会は聞いたことがない!という車両のチョイス。もうね、楽しくてたまらないんです、毎回。
あたりまえですが普段ディーラーでは試乗が叶わない、というよりも売ってないし買えないクルマがいっぱい集まってくるんです。そんなクルマに試乗したり担当の方にお話を聞ける刺激的な半日でした。大変に貴重な機会です。準備された車のラインナップに思わず唸ったり驚いたり笑ったり。こりゃあ確かにどれも知ってるけど近くで見たりお話聞いたりしたことがない車両ばかりです。
今回は事業系の車が多いみたい。つまり、タクシーとか移動販売車とか、そういう感じの車両が集まっています。より身近なはたらくクルマです。今回も興味深い。おもしろいのがその車両を運用したり開発したりする企業さんがクルマと共に担当さんを派遣してくれて、お話しが聞けるのが楽しくて。
そして謎の紙幣を受け取ったり、概要を聞いたり。え、なにこれ?
まずはいつも通りのブリーフィングがあって、でも今回はハンドルを握る試乗はないので例の「とんび」対策の画面は出てきませんでした。あれ、なんかちょっと好きなんです。コースにいたずらな鳶(とんび)が入ってきてクルマの前をかすめたりするんですって。まだ体験してないなあ。江ノ島の鳶の悪さは有名ですよね。
さてと、コースに出ると。
「NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT」
あれっと思って思わず駆け寄ったのが、オグショーのロゴがはいったNV350キャラバン「NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT」。ワーケーションテーマのコンセプトカーです。オグショーのカスタム車がここに出張ってきてるのか!驚いた!!オグショーとくればご存知、モトクロスライダー小栗伸幸さんがモータースポーツというフィールドで得た経験をいかしたトランポをつくるカスタムメーカー。昨今のアウトドアブーム、バンライフブームでその機能性高いベッドキットなどが注目されています。
バンライフの皆さん垂涎のショップ。へええ!日産とがっちりやってるのかあ。オグショーの堅実な市販パーツでのカスタムに加えて日産が手を加えた部分も。これがすごくてね。もうすぐ(本当に直近と聞きました)市販の日産のミニバンにも装備される予定のプロダクトも装着されてました。これが最高で。スマホからの解錠ができるNFCキーシステムや、電子シェード付きサンバイザーその他なんてのもありましたが、もうひとつ。
後部サイドウィンドウに装備された「電子シェード」!キャラバンの後席ガラスを透過モード、遮光モードに切り替えることができる電子ガラスフィルムです。つまり車中泊やビーチでの着替えなどの時にカーテン要らずになるわけですよ。みてください。上の1枚目2枚目の写真には後ろの建物やひとが窓の外に見えますが、3枚目、ね。真っ白。外見えない。これはすごく欲しいなあ。欲しい人多いよ絶対。
トヨタでもサンルーフ部(トヨタはムーンルーフだっけ)に装備されるものもありましたが、実用訴求はこちらだよねえ。後付けで装着可能というのも素晴らしい。
「NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT」
そして「NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT」と対になるのが、残念なことにショーでのお披露目がコロナ禍で流れてしまったコンセプトカー「NV350 CARAVAN OFFICE POD CONCEPT」。移動オフィスですね。こちらがイメージソースで、ショーカー然としています。このイメージソースで「NV350 CARAVAN ES MOBILITY CONCEPT」が成り立っているというもの。
「OFFICE POD CONCEPT」という名前。これすごいんだよ。キャランバンリアゲートを開いて車内からスライドアウトするデッキ。ここにオフィスワークができる装備をしてあるんです。足元スケスケ!おどろいた。「たとえば小川なんかのそばに止めて川の上にスライドアウトすると、、」なんて説明を受けました。仕事をするときはそれだとちょっと落ち着かないと思う(笑)でもこれすごくいいですね。室内空間が物理的に広くなるのはアリです。
「東京消防庁 広報車」
赤いボディと特殊装備に胸躍ります。特殊装備と言ったけどね、消火装置などの火災対応装備ではなく無線機やデータ収集機材、その確認機材、拡声器などが装備されます。このクルマの役割は広報もそうですが、現場での情報収集。広報車両という名前でゆるいものと思ってこれを運用する現役消防隊員さんにお話を聞くと、どっこい、全然違うんです。
現場車両だこれ。最前線に飛び込んでいくれっきとした緊急車両です。火災、災害等の現場で情報を収集、集約。あれだね、サンダーバード1号と2号の役割。消防車などファイアファイターのメカが2号、これは1号の役割かな。急いで現場に急行して情報を集める感じ。この前の車両も旧エクストレイルだったそうです。
「厚木市立病院 災害派遣医療チーム「DMAT」移動用車両」
DMATのドクターカー、実はラッピングだけのカスタムです。でもこれがちゃんと訳がある、というか、効果、機能があります。「DMAT」、コロナ初期に記憶に強く残る大型客船のニュースでその名前を覚えている人もいるかもしれません。Disaster Medical Assistance Team、「災害機動医療チーム」と意訳できそうです。医師、看護師、医療関係者を大規模災害、多傷病者発生事故などの現場に真っ先に駆けつけて活動を行う専門医療チームです。阪神・淡路大震災を教訓に組織されたそうです。そのカラーリングが目を引きます。
クラウドファンディングで応援者を集い車両をリニューアル、その時に地元企業の日産自動車テクニカルセンターに支援依頼、快く引き受けてくれたのだというお話。一目でわかる赤十字マーク。それを拡張してボディ前後を白と黒の強いコントラストで色分け。昼(白)夜(黒)問わず任務にあたり災害現場に駆けつけるスピード感と力強さや信頼感を日産自動車テクニカルセンターのデザイナーさんが表現したそうです。視認性が高く、現場到着時も先に現場に駆けつけた消防隊員さんなどからもひとめでDMATの車両だと認識してもらえるのは現場で役立つはずです。
さて、そういう車両もありながら、生活密着の大事なインフラを担うクルマもいましたよ。
「株式会社ローソン 移動販売車」
今回わたしが一番食いついちゃったのがこのローソンの車両。お話しを聞いたらその意義や取り組みが大変興味深くて、価値がありました。コンビニなんてどこにでもあるし、、と思ったら。移動販売車両は都市部では必要ないと考えられがちですが、高低差が大きい地域やお年寄りが多く店が少ない空白の場所などは都市部でも意外とあるものなのだそうです。
そういう場所を行政とリンクして共にうめていくこと。これはちゃんと見ておかなければいけない取り組みです。この移動販売車は基本ローソンの実店舗に紐付けられており、そのお店の仕入れと売上、店の一部という形をとって稼働しています。全国のローソンで54台が動いているそうですよ。地域の声などを拾い上げ、積載する商品に反映させてルート巡回、お客さんの意見などを聞き、積載商品やルート、立ち寄り場所などを最適化してゆくそうです。
一時期途絶えていた地域密着の商売の形が戻ってきた感がありますね。それを担うのがコンビニエンスストアというのが現代風で面白いなと感じます。女性の店長さん、感じ良かったなあ。ニュータンタンメンとか積んであって神奈川愛も強い!
ここで謎の紙幣(笑)が使用可能。イベント前のブリーフィングで配られたものですが、これをつかってバウムクーヘンを買いました。おお、購入体験!そしてもうバウムクーヘン美味しかった。にやにやしながら頬張りました。
「宝自動車交通株式会社 タクシー車両」
なんとなくタクシー、当たり前すぎてタクシーかあ、と思うでしょ。実は宝自動車交通株式会社さんが持ち込んでくれたタクシー車両、電気自動車です。日産リーフのタクシーなんですよ。まだまだ珍しいリーフタクシー。その後部座席に何気なく乗り込んで、走るのは追浜のコースというこの異次元体験(笑)なかなかサイコーのものがありました。電気タクシーでサーキット的な場所をお客さんとして走るって普通の人生ではありえないでしょう(笑)
静かで加速力が高いのはもう知るところ。リアシートでそのフラットな乗り心地を体験しました。タクシーは静かなのはアドバンテージですねえ。ドライバーさんはリーフタクシーの専任ドライバーだそう。たしかに運用や運転でガソリン車と違うお作法はあるでしょうから。これおもしろ体験だったな。
「移動会議室 Minimo」 実証実験車両
これもおもしろかった。こちらもリアシート試乗をしたのですが、乗るととても納得いくんですよ。簡単にいうと、エルグランドの後部座席をリモート会議室に仕立てたもの。いうのは簡単、でも実は最適化へのチューニングは大変だろうなあと思うんです。元々静かなエルグランドを使ったこと、そこをさらに静穏化しないと会議にはならぬであろうこと、移動中の通信状態を保つこと、音声だけではなく映像/音声どちらも安定させねばならないこと、会議ですから会議相手の、モニターの中に出てくるであろう資料も高精細で見やすく、認識しやすく表現せねばならないこと。それを最適化すること。
特に音のチューニングは難しいジャンルだと思いますし、モニターの見易さなども最適化の道は簡単じゃないんじゃないかな。メインモニターが目の前にどんとあって、横に小さなサブモニター。これはショーファー(ドライバー)とのコミュニケーション用。こういう感じが先祖返り感(むかしのリムジーンの客室電話的)を感じさせるのも面白かったです。空港へ向かう移動時間で会議を2本、そういうものが必要な人にとって興味深いクルマではないでしょうか。
「日産 ノート ライフケアビークル」
地味なんですけど大いに興味を引いたのがこれ。普通のノートに回転シート装着。それだけなんですが、これが大事なのが単純なオプションパーツであり、福祉車両ではないということ。福祉車両として線引きせず、電動機構等の大掛かりなものにせず、体の不自由な方も、普通の人も、女性でちょっとスカートや洋服の都合で乗り降りが不便だなあと思う人も。分け隔てなく便利になるという考え方が素晴らしい。そして、この小さなスペースによく回転機構を収めたなあと感心します。
一軸で回転のみなのに上手にチューニングしてあり実用に耐える利便性を持っていました。スライドシートを一番前に出して回転させます。そこのところだけ、大柄な人(わたし)などはちと窮屈なところもありましょうが、電動などにして大袈裟にせず、福祉車両ではない枠で回転シートを実現しているのはほんとうに価値があると思います。
社会貢献やウェルネスなどに強く関係する車両はどれも印象的でした。
リーフのバッテリーの災害時使用など日産にはその取り組みに社会貢献というバックボーンが見えるのが大変価値があるし、頼もしいなと思うんです。
「株式会社シンコーフレックス 再生バッテリー使用ゴルフカート」
「コアテック株式会社 再生バッテリー使用スポーツカー」
ゴルフカートが来ていたのはびっくり。それと3輪のスモールスポーツカー。日産、こういうの作ってないよね?と思ったら。「株式会社シンコーフレックス 再生バッテリー使用ゴルフカート」と「コアテック株式会社 再生バッテリー使用スポーツカー」、どちらも日産の電気自動車のバッテリーを再生バッテリーとしてリサイクル使用しているそうなのです。
なるほど、そういうことか。電気電気と騒がれる自動車業界。とはいえバッテリーなどを作る際の環境負荷を考えるとどうなのよ、という論調もある中、リサイクルバッテリーはいいアイディアです。いますぐに実現可能、継続可能、そういうのをやりながら議論と考えを深めないといけません。しかもバッテリー物理サイズが大幅に小さくなって軽くなって、その分動力性のや航続距離が長くなりといいことずくめ。
いや、おなかいっぱい。大満足。そういいながらお腹は空くわけで、おいしいお弁当を用意していただいて、それも楽しみました。
あ、ミニカーもらっちゃった!今回整備点検があって出張って来られなかったNV400EV救急車。NV400ってなんだっけ、、とおもったら、そうか。日本ではラインナップされないヨーロッパ生まれの日産車か。見たかったなあ。けっこう大きいんですって。
色々とお土産もいただいたり、久しぶりにお会いする著名なブロガーさん達と歓談できたり、超久しぶりの美人広報さんの笑顔もみられたり、クルマ以外でも気持ちがホッとするイベントでした。はたらくくるま達の意味や意義が見えました。