例によって知らない土地で夕食難民になりかけていました。あてにしていたお店は混雑で2時間待ち。当たり前です。だって、あてにしていたそのお店は「さわやか御殿場インター店」なのだから。
いや、何かの間違いであいてたりしないかな、とか甘いことを考えていたのが間違いだった。そりゃそうだねえ。
カレーですよ。
さてと、どうするかなあ。
近所を探してみると焼き鳥屋さんがカレーを出しているという珍しいお店発見、、だったんですが、行ってみたら店内、常連さんでいっぱいでたばこがもくもく。飲み屋さんだからね。持ち帰りもできるけど外にテーブルあるけど、寒空の下、外テーブルで食べるのもねえ。クルマの中でカレーの匂いを充満させてってのもなんだかなあという気分です。
そんではまた次のお店探しに出かける事にしましょう。ほとほと困っていたところに通りかかった、ちょっと気になる看板。
クルマで通り過ぎる時に、視界の隅にヒンディー文字が入ってきた気がしたんです。うむ、通り過ぎながら一瞬考えて急いでクルマを止めUターン。お店の前まで戻ります。果たしてそこはインド食材店。ああ〜乾物屋さんかあ、、、おや?しかし。
「チャイハウス リトルスライヤ」
というそのお店。
食材販売だけではなく持ち帰りの料理なんかやっている様子。外に出ているメニューをよくよく見てみると、なんとイートインができるじゃないの。これは渡りに船。最近できたという風情のきれいな外観、お店の名前、モダンな感じの店頭の看板。それらのものを総合してなんとなくこりゃ信用ができるのじゃないかな、と判断、お店に入ることにしました。
お店の中には先客がいます。日本人の若者2人がどうやらケバブを注文しているみたいです。彼らは持ち帰りの様子。その注文を捌く女性の手元を見ながら順番を待ちました。
その間、店内を少し物色することにします。なかなかのリーズナブルな価格でスパイスやマサラ、チャツネや豆、米、そういうものがそろっていて、綺麗に並んでいます。ラベルを見るとアンピカトレーディングの名前がありました。7割くらいアンビカかな、これは。知らぬ間にモダンなパッケージにアップデートしてるねえ。スマートだな。
インド人にしては肌の白い儚げな雰囲気の女性がこの店を回しているようすです。奥からは赤ちゃんの声。なんだかホッとするねえ。可愛くむずかる赤ちゃんの声が時折聞こえてきます。
テーブルにあったメニューの、
「ビーフビリヤニ」
を指差して「ありますか?」と聞くと頷いてくれました。では、それで。
しばらく店内を見回しているとビーフビリヤニ、やってきました。
ちょいと濃い目のブラウンがかったビリヤニで、ゴロリと大きなビーフがたくさん入っており、細切りの玉ねぎも見て取れます。
まずはつついてみたマサラオムレツ。これがね、実にうまい。タマネギと卵とマサラとシンプルなんだけどすごくよい味に仕上がっています。うわーこれすきだー。
肝心のビーフビリヤニ、こちらもなかなかいいです。食感よくふわりと炊き上がったバスマティライス。ビーフ、たくさん入っていてちゃんとかみごたえがあるのもいいねえ。思い出したようにあとから出て来たダヒはブルガリアヨーグルト的なものだと思うんですが、さっぱりしてて引っかかりなく、意外とダヒよりいいかもとか失礼なことを思ってしまいます。モダンな感覚を覚えたんですね。
食べている間、赤ちゃんのむずかる声がずっと聞こえててかわいくてしかたがないのです。
調理をしてくれた女性がお母さんなんだね。手があくとあやしに行ったりしていました。
しばらくするとお店の女性の旦那さんと思われる人が戻ってきました。「おいしいですか?」と聞いてくれます。
しばらく四方山話をしていろいろわかりました。ビーフを使ってるのでムスリムの方?と聞くとそうだとのこと。どうやら駅前の「御殿場インディア」のオーナーらしく、向こうはレストラン、こちらはショップということでやっているらしいのです。
ちょっとピンときて、「お店の名前は奥様の名前?」と聞いてみたんですが、さにあらず。あの可愛い鳴き声の赤ちゃんの名前らしい。ああ、そうかあ、そうなんだ。なんともきもちが温ったまります。奥様が赤ちゃんの面倒を見ながらお仕事ができるようにこのお店を?と聞くとそうだと頷く旦那さん。いろいろと温かい気持ちになります。
とはいえ旦那さん、商売上手(笑)
ちょいと自国の料理を知ってそうな日本人であるわたしに棚の商品をすすめてくるわけです。ちょっといいなと思ったタマリンドチャツネとグリーンチリペーストもすすめてくれたので、いい機会と買うことにしました。
アンビカだから東京でも買えるわけですが、スライヤちゃんのミルク代になるなら西葛西や蔵前で買わずにここで買うのがよかろうと思った次第。
楽しい夜だったなあ。