カレーレビューの招待を受けて中野サンモールへ。久しぶりだなあ、中野。あんまり行かなかったなあ。
行っても駅じゃなくて環七から直接曲がってトリコカレーだけ行って帰ったり。
カレーですよ。
お声をかけてくださったのは「ターリー屋」の広報をしている渡邉さん。ターリー屋の広報以前からもうずいぶん長いお付き合いです。そして吉川社長にはお世話になりっぱなしです。
ターリー屋がスパイスカレーコンセプトのお店を出店したのは聞いていました。おもしろいなあ。
ターリー屋はインド定食のお店を標榜、「インド料理のレストラン」ではなくて「町の定食屋さんなんだけどそれをインドカレーでやってる」というコンセプト。それを20年前に始めたのです。未だ尖ったコンセプトだと感じます。そうか、今年の春でターリー屋は20周年、21年目がスタートするんじゃないか。めでたいなあ。
そんなこんなで中野サンモール。
「スパイスカレーハウス ターリー屋 中野サンモール店」
は彼の地、中野のカスタマーに受け入れられるでしょうか。どんなスタイルのカレーなんだろう。いろいろと気になります。
スパイシー丸山さんと合流してターリー屋謹製のスパイスカレーを食べてみました。
お店は中野サンモールにあります。そろそろ中野ブロードウェイのビルに入るなあという辺りにありました。相変わらずの人通りでこんな昨今でもちゃんと賑わいがあります。
店内は細長く、カウンターで10席ないくらいという感じ。でも実は2階席があるんです。2階には4人掛けのテーブル席が4つ用意されていました。
状況やオペレーションによって使われないこともあるようなのでそこは注意、です。
メニューは各種セットがありますが、基本はカレー4種の組み合わせとライタ、目玉焼き、バトゥラ乗せ、そこにチキンカバブ、ハニーバターチキン、タンドリーチキンカツなどの特徴的なターリー屋スタイルのトッピングを組み合わせて構成されます。
これがなかなか面白い構成でね、スパイスカレー=大阪スパイスカレーの系譜ということで「自由度と出汁」というところに重点があるのでは、という想像をしながらカレーの登場を待ちました。さて、どうだろう。
頼んだのは、
「3色カレーターリー」
です。
選択項目があるので、注文時、まずごはんは「普通」盛りの250g、カレーの種類という項目で、4種用意される中から3種、「バターチキン(HOT)、だし野菜、熟成キーマ」をチョイス。辛さはスタンダードである「中辛」としてみました。
おお、おもしろいねえ。カウンターの奥に座りましたが小さなフライヤーでバトゥラを揚げています。バトゥラはインドのナーン生地を使った甘めでもっちりの揚げパンです。ナーンを焼き時よりも小さめに生地を平らに伸ばして丸く成形してフライヤーに入れ、何度かひっくり返し打て膨らませます。
さて、やってきたこれ、盛り付け、なかなかに楽しいものです。
大きなターリー盆(金属の丸皿)にごはんを三角形に盛り、その各辺が円形の盆とご飯の間にできるスペースにカレーを注いでありますね。派手でかわいい感じです。真ん中にはカトリを置いてあり、中にはライタ(ヨーグルトサラダと訳されます)が鎮座。目玉焼き、アチャール、サブジがそれぞれごはんの上に乗っています。
構成やバックボーンを考えるとこれは間違いなくターリー屋の血統、なるほどわかる、なるほどこうくるかあ。
では、いただきます。
だし野菜カレー
爽やかなスパイスづかいでひと口目の香りが高い印象があるものです。あ、これ好きなタイプだ。出汁の柔らかな舌へのあたりと野菜の旨味、そこにスパイスの強さという対比が面白いカレーです。旨味強くクセになるねえこれ。なにかこう、色彩を感じさせるような味、そう感じました。具材は筍やほうれん草などちょっと和を感じる内容です。これはとても好みです。
熟成キーマカレー
肉肉しいキーマカレーは肉率が高くキーマカレー好きには満足感が高いものでしょう。味は穏やかめに調整してあります。ラインナップの中ではちょっと個性が弱いかなあ、など思ったんですが、他のおかずやカレーと合わせたり混ぜたりするときにこういう穏やかチューニングのアイテムがあると大変便利なんですよね。多分そういう役目です。その役目ってのも組み合わせによって変わってきうると思います。カスリメティのドライを振ってあるのはスパイスカレー的ですね。いろいろおもしろいぞ。
バターチキンカレー(HOT)
さすがのターリー屋クオリティですな、これ。バターチキンはターリー屋の売りでもあるメニューです。それを辛口仕立てにしてあります。辛口とありますが、甘さの要素をを強く感じます。甘味を土台にしてそこに辛さのレイヤーを乗せている感じでしょうか。ちゃんとこの店オリジナルでターリー屋のバターチキンそのものじゃないところにこだわりを感じます。辛さも行き過ぎておらずバランスがいいね。なんだかんだと言いながら、こういう子供舌にフィットする味は万人にうけてしまうのだよねえ。わたしもこういう味には弱いです。すきだなあ。
中央のカトリの中に入るライタはきちんとライタになっており、インドカレーを標榜するターリー屋の系譜を感じさせるもの。実ははじめに、ライタはいらないんじゃないかと思ったんですよね。でも他の料理やカレーと合わせてみるとなかなかいい味変アイテムなのがわかります。さすがのインドカレー専門店。
タマネギアチャールがね、とても好みの良い味でとてもうまいんですよ。辛い要素の中にちょっとだけ甘め所を作ってあってその味付け、クセになります。これは好き、足りない、もっと食べたい。
サブジはシンプルなものですが、それだけにたくさん食べたくなる素直なお味で好感が持てるアイテム。具材がわりにカレー類に混ぜてもいいよね。
お米は長粒米を使っており驚かされました。そうかあ、スパイスカレーと呼びながらやっぱりインドカレーの流れにあるんだねえ。おもしろい腰の置き所だと思います。あまり粘らず舌触りいいものでよかったよ。また、ついてくるパン類、ナーンでもなくチャパーティでもなくバトゥラを持ってきているのは面白いねえ。インドのナーン生地を使った甘めでもっちりの揚げパンです。うーん、これうまいものだよなかなかいいよ。
そしてインドカレーに目玉焼きとくればターリー屋のアイデンティティでしょう。ここでもそれは健在で、これをみるたびに、ちゃんとやりたいスタイルがあってやっているんだろうなあ、と清々しさを感じるのです。実際目玉焼きが乗っていると嬉しいしわるくないよね。
メニューの中で気になったのは「あんバターバトゥラ」。
これ、インドスタイルの揚げあんぱんだな。これはおいしいんではなかろうか。やっぱり遠慮しないでお願いすればよかったなあ。とはいえお腹いっぱいだったからその場で揚げたてを食べるっていうのは無理だったろうね。だからいいんです。
次回、必ず食べようと思う。
全体で見るとバターチキンとキーマを合わせたりするのがなかなか具合が良かったです。ライタも同じく。野菜カレーはかなりスペシャルにいいもので、これ単品で目一杯食べてみたい。とても気に入りました。
スパイスカレーハウス と名乗る新業態のターリー屋ですが、大阪スパイスカレーとは違う方向の、 ターリー屋のDNAがちゃんと受け継がれる味とスタイルのオリジナル料理でありました。メニューを監修、調理しているご担当からもお話をうかがえて面白かったです。
広報の渡邉さんと久しぶりにお話しできたのは楽しかった。
吉川社長、ギター持ってわたしのラジオ番組に遊びにきてくださいませ!