たしか松さんの投稿ではなかったかしら。久しぶりに神田のあのカレーライス専門店に行きたくなりました。
こういうお店は写真とか見るとね。ぐいっとやられてどうしてもすぐに行きたくなります。
カレーですよ。
それが、しばらく行っていない、その味を知っている店ならなおのこと、です。うん、決めた。行こう行こう。
しかも、実はそのお店、スタジオからわりと至近なのですよ。これは行かねばと打ち合わせを終えてスタジオを飛び出しました。
「カレーの店インデラ」
カレーライスとお店の写真を見てしまったら途端に蘇るあの味の記憶。そして本当にうっかりでね、果たして歩いて4分。イテテテ、、、これは痛恨の極み。分かっているつもりだったんだけど、こんなに近いということを認識していなかったよ。そういう場所というものはあるものだよねえ。こりゃあしばらく通うなあ。
さて、久しぶりのインデラ。
そうそう、そうであったよねえ。地下にあるお店なんですが、地上の入り口、階段の上からカウンターのイスがチラリ見えるんです。そうそうこれこれ、これですよ。にやにやしながら階段を降りればするりと異世界に到着。いや、異世界じゃなくて時間旅行だな。昭和は遠きになりにけり?いやいやいや、こんなに近くに存在するんだよ。しかも地下に存在するという、書いてみれば字面が実にいいじゃないですか。今から昭和地下、堪能ですよ。
メニューは「カレー」と「ハード」と「タマゴ」だけ。それぞれ、カレー、辛口カレー、ゆで卵、に該当。ハード、なんかいい。ハードとゆで卵がメニューで並ぶのもいい。ハード&ボイルドというわけです。いい、いい尽くしです。さあ、お母さんにカレーを注文。おっとっと、先払い。そうであった、忘れてたよ。それくらい久しぶりになっちゃってたな。
秒速で届くカレーライスは日本のカレー年表で言えば中期と呼べるもの。元祖の真っ黄色、カレー粉と小麦粉を炒めるところから始めるでろでろの時代を終えて、茶色くなりつつあった時代の味といえます。赤缶など使っている痕跡あれど、ちょいとモダンにデミグラス系を想像させる味、香りにキメてあります。
とはいえ甘さの要素は抑えめで、食べ進めるとこれは塩と酸味で着地させてあるな、と舌が判断。そこにテーブルを覆い尽くすと言っても過言ではない副菜類、箸休めを使って味変を試みるわけですよ。この醍醐味ったらない。ここ、インデラだけのお楽しみです。
このお店の名物の副菜類。カウンターを見渡すだけで楽しさが溢れ出す、常時10種以上の漬物やちょっとしたおかずがにぎにぎしくテーブルを覆うこの光景。これを自由にとって自分のカレーライスの上にのっけてやるわけです。とはいえ節度は守っていただきたいですな。あくまで副菜、箸休めだからね。こういう楽しいテーブルをお客みんなで維持せねばならないんです。過ぎたるは楽しさから遠のくと同義、と肝に銘じていただきたいものです。
わたしは甘さの要素が欲しいので、福神漬けやたくあんの千切りなどをごはんに乗せてカレーと合わせてやります。これで好みの味が出来上がります。
ザーサイが意外と主張することや、こんにゃくの煮物の食感の嬉しさ。意外とカレーライスによく合うさっぱりした後味嬉しい紅生姜など、とにかく楽しめるんだよ。
インド料理もスリランカ料理もすきなわたしですが、口からふと溢れる言葉は「やっぱりニッポンのカレーライスにゃあかなわない」というひとこと。
心からそう思うんです。