珍しく街を歩いていました。
ここのところ、時節柄というのもあってちっとも街を歩いていないのです。移動ももっぱらクルマを使います。仕事含めて安全第一、なわけです。
カレーですよ。
そんな感じであるけれど、街を歩くと発見があるし、歩かないと見えない風景ってのもあるんですよね。
そういう発見多い街歩きのさなか、日本橋室町の路地でカレー店を見つけました。
「らいん」
という名前。
長く営業を続けてらっしゃる風情の、昔の喫茶店的なシックな店構えに嬉しくなります。
そしてお腹がすごく空いていました。昼の営業、閉店まで15分というところだったんですが、快く席に案内してくださいました。ありがたいなあ。
さあ、急いで食べよう。
表に出ていたメニューで
「ビーフカレー」
と決めていたのでさっさと注文。
店内の張り紙を改めて見ると、ビーフカレーは辛口、シチュータイプとありました。
ポークカレーもあって、そちらはマイルドタイプ、甘口の表記。なるほどこれは、どちらも食べてみたくなるね。
カレー、きましたよ。
さて、ビーフカレー。オリジナリティがあります。シチューというほどどろどろではなく、とろり程度。カレーとしてちょうどいい粘度と感じます。スパイスがバランスよくて強すぎずで、ビーフの旨味深く、塩味でエッヂをカチンと出しているが尖らせすぎずで。実に巧みな調味です。
そして現代の基準では辛口というほどではない感。それは多分昔から変わらずこの味で、昔決めた辛口だから。きっとそう。そういうのがとてもいいんです。うれしくなります。心地よさが気持ちにぐいっとはいってくるんです。はあ、とホッとしたため息が出ます。
帰りしな「遅くにごめんなさいね、この時間だとどこも食べるところなくって」と声をかけたらにっこりしてくれました。気持ちいいよね。うれしいよね。
ポークカレーはいつ食べにこようかな。