カレーですよ4741(宇都宮池上町 カレーハウス ミニ・ボルツ)ボルツの系譜。

現役の店に哀愁だレトロだ言うのは失礼なことだと思っています。が、しかし。自身で押さえ込んでいるそんな言葉が思わず浮かび上がってくるお店というのはあるものです。これはもう如何ともしがたい。

 

 

カレーですよ。

 

 

宇都宮にボルツの末裔があるのはカレー好きの間では有名な話しでしょう。かつてのチェーン、元祖辛さ調整の殿堂、渋谷のボルツ。ボルツのお店のイメージは現代のチェーン店とは違って画一化されておらず、各店でその雰囲気が色々だった記憶があります。

その中でも神田神保町からもほど近い、竹橋のボルツはすーっとしたシンプルさと老舗らしさが同居して好きな感じです。津田沼、大久保のボルツはちょっと80年代風の小洒落た雰囲気を醸し出しているのがおもしろい。そしてここ、宇都宮の

 

「ミニボルツ」

 

はいつ来ても残った3店舗の中で一番趣深いお店だなあ、と感じます。

じつは都内某所にわたしがここはボルツの派生であろうと睨んでいる店も他にあるのですが、そこは割愛。そのお店も昔の喫茶店然とした雰囲気で好きなんです。

さて。

 

久しぶりのミニボルツです。隣にあったのでありましょう建物が駐車場になり、お店の壁はまるでケーキを切った断面のようにスッパリと建物の形で垂直に切り取られています。古い喫茶店風味の店内外は実に感じが良くて、居心地がいいんですよ。昔風で、少し暗めの照明とテーブルや椅子が懐かしさを作り、お尻に根っこが生えてきます。

お店のマダムに

 

「スペシャルカレーセット」

 

を注文しました。

このセット、トマトのスープがつくのが嬉しいのです。

あれはとても好きなやつで、前回は思いあまって持ち帰りできないかを聞いたんですが、残念、そういうのはやっていなかったです。だったら店でたくさん飲もう。それがいいね。クリームが入ったトマトのポタージュという風情のスープ、大のお気に入りです。

 

カレーは2種選びます。

「ポークとナスカレー」はスモーキーな味わいの濃い茶色のカレーソース。

焙煎の香ばしさとスパイスの爽やかさが昔からあるはずなのにひとまわりしてモダンに感じさせてくれる感があります。

「卵とほうれん草カレー」は「ポークとナス」より軽やかさを感じました。

ゆで卵が思いのほかカレーをマイルドに持って行ってくれるのがいいねえ。

ご存じの付け合わせが出てくると気持ちが盛り上がるんですよ。ああ、ボルツだよねえって。

 

6種も出てくるのはボルツの中ではもうこのお店だけとなりました。

効果的に味が変わるレーズン。ローストココナッツフレークも、タマネギのピクルスもいいなあ。タマネギは生のスライスも出てきてそれぞれ役割が違うんですよ。ミニボルツはやはり楽しいねえ。

インテリアもそうなんですが、昔のチェーンはある程度の幅というものが許容されていました。そういう時代でした。長く作っているカレーもお店によって少しづつクセのようなものがついてくるものです。そういうものも楽しみとして、好きなお店に通うのはなかなか楽しい趣味ではないかしらか、そう思っています。

そうそう、数日で3店舗(プラス1店)回ってみたいと思っているんですよね。

味の違いや柱になるものがなになのか、記憶が曖昧にならないように短期で食べて比べてみるなんていうやつ。

ちょっと楽しそうでしょ。