【電気自動車体験】(横須賀追浜 NISSAN GRANDRIVE)日産の電気自動車イッキ乗り。「SAKURA」も「X-TRAIL」も乗った。【PR】

久しぶりに日産からお声がかかりました、試乗会。

 

大変だよね、広報さんたち。人を集めて何かするのが困難な時代になりました。レストランだけではないわけです。でもね、前に進まないと。インベントを企画する側は本当に勇気を持って細心の注意を払って動いてらっしゃるはずです。それを受ける側はそういうのを無碍にしちゃいけない。こちらも万全の安全対策で望まないとね。どちらがわの意識も同じレベルにないといけない。大事です。

さて、いつもの横須賀追浜、日産の元試験コースの

 

「GRANDRIVE」

 

にやってきました。来るたびにここはワクワクさせられます。

まずは久しぶりのブロガー仲間とちょいと挨拶なんかして、広報さんにもお声をかけて。また試乗イベントを開催してくださったお礼をお伝えして。

ミーティングルームでレクチャーが始まります。今回のお題は電動。

何だかんだと言いながら、電気自動車やハイブリッド車の区分けをはっきり理解しているひとは多くないというのが正直な感想です。なにしろクルマに乗る人というのはは幅が広くてマスが大きいからね。

日産自動車では大きく分けて2種類の電気で走る自動車をラインナップしています。

 

ひとつは充電スタンドや家庭で充電をして電気だけで走る、いわゆる「電気自動車」。もうひとつは電気で走るんだけど、その電気を自分でクルマの中に発電所かかえて走ってるタイプ。100%モーター駆動車両と言われているもので製品シリーズ名は「e-POWER」。どゆこと?って思うでしょ。「自分で発電所かかえて走ってる、、」って。

つまりこれ、タイヤは電気で、電池とモーターで回ってます。電気で走るわけです。で、タイヤとは物理的につながってない、発電にだけ使うエンジンを載せてあってそれで作った電気で走るというもの。おもしろいなあ。

これだと現在のガソリンインフラを使っていくらでもレンジエクステンド出来て(普通のガソリン車と同じ方法で給油してどこまででも走れる)なおかつ電気のインフラがいまのガソリンスタンドと同等まで広がったら次のモデルチェンジで発電機を降ろしてもいいわけです。(そんなに単純じゃないけど、でもそういうことだよね)

発電エンジンのこともいろいろ聞けばよかったなあ。ガソリン車のエンジンチューニングと違うわけですよね、一定の回転数で効率よく回すとか、官能性能のこととか。とにかく日産の車は現在、「電気で走る車」がどんどん増えてるってことです。街中で普通に見かけるノートとかセレナ、あれ、e-POWERバッヂがリアゲートについてるやつは電気で走ってるんだからね。

さてと、試乗です。

 

このコースのブリーフィングで必ず出てくる「トンビの写真」という名物があります。クルマの前に急にトンビがうわっと舞い降りてきてイタズラをするらしいんですよね。そうそうこれこれ、なんていつものこととして聞きましたが、今回初めてトンビきました。うひゃ〜と思ったよ。ほんとに来るのかあ。GRANDRIVE何度も通ったけど初めてだったなあ。

用意されたクルマはzero Emissionシリーズの「SAKURA」「LEAF」「ARIYA」。それとe-POWERシリーズの「NOTE」「AURA」「X-TRAIL」がコースにありました。あと「DAYZ」。

日産のラインナップ的にはこれに加えてe-POWERの方で「KICKS」「SERENA」があります。

わたしが一番初めに用意されたのは「ARIYA」。ヤバいです、色々。

 

「ARIYA」は銀座でプロトタイプ、ショーモデルのものを詳細に見せてもらうイベントで隅々までお話を聞いて、見ていたので感慨深い。でも感慨深いとか言ってる場合じゃない。なにしろコックピットが今までの御作法と雰囲気じゃなくて混乱しまくるんです。

全面液晶ディスプレイでシフトレバーが小さな寿司のような(そりゃ言い過ぎ/笑)サイズ感のコントロールレバー。当たり前ですがエンジンを掛けて、、、おっと違った。電源スイッチを入れて(違和感、、/ 笑)、まあ入れたわけですが当然セルモーターの音もせず振動もなく。スタンバイ状態になてもシーンと静かで目視で確認しないと、これで走り出すんだかどうだかがわからない。わかってるはずなんだけど、ブリーフィングで聞いてるはずなんだけど、やっぱり知ってるクルマと違うぞ感でちょっと手汗が出ます。

ドライブに入れたってシフトショックなど当然なく「え、なんか電源スイッチ入れてもシフト入れてもなんか反応ない、、いいんすかこれで?準備オッケーですか?」と体が言うことを聞かないわけです。さあ走るぞと言う気持ちに脳みそが切り替わらないんです。うわあ、こういう感じかあ。色々おもしろいぞ。

そんなこんなでまごまごしてるうちに走り出しましたが、走らせるとスーッと違和感が消えていきます。お、なんだ、なんでだ。重厚感がある走りっぷりで大きな車体をきちんとしたパワーが支えている感覚が確かに腰から伝わります。ここらへんのしつけの良さというか、感覚的チューニングは上手。ガソリン車と大きく変わらないです。とは言え加速のリニア感や音のない世界ってのは面白い。「ARIYA」自体が高級SUVのセグメントになるわけで、もともと静かなはずなんですが、それが電動で益々と言う感じ。なるほどなあ、いわゆる高級車と電動化はマッチングとしてすごくいいのかもしれない。

別のタイミングで「ARIYA」のプロパイロットリモートパーキングも見せてもらいました。リモコンでジリジリと動く「ARIYA」、すげえなオイ。フェイルセーフの2重3重のシステムの話も聞けました。

こんな例えはいいのか悪いのか、電気自動車はコンピュテーショナルフォトと感覚が似ていると感じます。スマートフォンの写真が代表的なものです。人間の感覚により近い、ただそのまま撮って出しではない写真を光学的なところではなくデジタルで補正してやって多くのマスが喜ぶ写真を生成するというもの。

エンジンのオンオフコントロールの意図やわざわざ本当はしないエンジン音的なものをスピーカーから聴かせるなどのおもしろさ、ここらへんの工夫は今まで人間がガソリンエンジンの経験から体に染み付いているエモーショナルなところを補完して違和感を無くすと言う取り組みなのかもしれません。クルマは何かあった時、まだまだ今まで通りの操作と感覚じゃないと困るものね。とはいえそういう部分もいっきに縮まるものだと思っています。コンピュテーショナルフォト、スマートフォンの写真がおんなじふうに当たり前の世界になったみたいにね。

その後いろいろ運転をしましたが、「LEAF」のいろいろな部分が軽い感じ、いい意味でちょと手応えが希薄な軽快感は印象的でした。とにかくその味付け、走りやフィードバックがくる体感の違いがおっと思わせます。本当に各車走行フィールや全体で感じる感覚の味わいが違う。

なんだ、恐れていた「電動化で自動車全部が同じになっちゃう」と言う未来はやってこないのですね。ホッとしたなあ、もう。

「X-TRAIL」よかったなあ。素直にいいと思いました。

アウトドア、キャンプ志向のわたしだったんですごく気になってなんですけど、うん、よかったよ。アウトドアギア感は薄くなりましたがすごいよく出来の1台。

当然少し背が高いわけですが、やはりバッテリーを低く敷き詰めているところからか、安定性が高い。走り出すと、ハンドルを切ると、腰の辺りでそれがわかります。へええ、こういう感じなのに、コーナー楽しいのにオフロード寄りっていうクルマはなんか新鮮だなあ。これは走らせたくなる、遠くに行ってみたくなる。

e-4ORCE(前後2期のモーター制御と4輪のブレーキ制御を緻密に行い安定性やコーナリング性能の向上などを行うシステム)をオンオフして比べるというような細かい試乗はできなかったのですが、ブリーフィングで電動パワートレインシステム、モーター制御、e-4ORCEの各開発担当の方のお話が聞けたので、とてもよかったですね。これもおもしろかったしためになる。こういうのとシャーシ性能やハンドリングなどの味付けなど、自動車専業メーカーならではのアドバンテージです。

テスラ、ソニー、アップルなどの話も聞こえてきますけど、専業で積み重ねてきた技術と知識は揺るぎがないと感じます。新しいものを模索しつつ、古くからある技術やエモーショナルな部分を大事に進んでくれると一ファンとしてはうれしいですね。

うん、「X-TRAIL」やっぱりいい。エクステリアも好みの感じでしたが試乗用ではなく展示用の「X-TRAIL」のインテリアに一目惚れ。タフでクロカン寄りの印象があったんですが、こういう内装も選べるわけです。このタンのインテリアとかシートのクロスステッチの雰囲気なんて昔のエキゾチックカーとかスポーツカーを思い出させてくれてウキウキするよ。なんかエロい。エロかっこいい。アウトドアギア感は薄くなりましたが、とか書きましたがタフ&ハードだけじゃ生き残れないのです、いろんな意味で。

「SAKURA」乗れた。これはうれしかったなあ。

自分で乗っているクルマと車格が同じなんでやっぱり気になってて。結果、わたしの現運用では導入は無しなんだけど、でもクルマとしてすごくいい。

運用というのは、例えば昨日、というか今朝帰ってきましたが、昨日の午前中に部屋を出て停車時間は食事とトイレくらいでトータルで3時間ないんじゃないかな。自宅を出て下道246の富士小山、御殿場、山中湖、河口湖で大月に抜けて20号で帰宅。300キロくらい。こういうのを月で4〜5回繰り返します。なかなかね、こういう用途だとまだ電気は難しいかも。峠越え、トレイルに踏み込む以外はガソリンの確認、確保もわりといつも行きあたりばったりで気にしないし(スタンドどこにでもあるし100キロ続く林道なんてそうそうないし)それでなんとかなっちゃうので。

わたしの場合だと時期が早い、ということです。

で、「SAKURA」ですが「これでいい」と「これがいい」が両方ありました。2台持ちの人なら即買いです。

 

ご近所用で、毎日ちょこちょこと買い物に行ったり病院に行ったりちょっと寄り道したり。そういうのならもういうことない。ガソリンスタンド行かなくて済むしね。2台持ちじゃなくて、長距離はレンタカーやカーシェアと決めればそれでもいけちゃう。やっぱりなんだかんだいってクルマは日常のフタ桁キロで使うことが8割、みたいな人は迷わないでいいと思う。うちの両親が関東郊外の坂道が多い地区の住宅地に住んでいます。父はすでに免許返納してしまいましたが、タイミングが合ってたらこれ一択だったろうなあ。

おもしろかったよお。軽サイズなんだけど、ちゃんと電気で走る自動車で登録車なんかと遜色ない加速や乗り心地で。デザインはモダンでシンプル。足るを知る、というのよりもう少し親切というか。や、なんというか簡単にいうと安楽で早い。これはいうことないですね。e-Pedal も「SAKURA」みたいな「生活に一番近いクルマ」に付くことに意義があるよなあ、と思うんです。ワンペダルドライブはクセになります。ラクです。

 

例のVR SAKURAにも「乗りました!」のれたよ、乗れた。おもしろかった。メニエールとかあってめまい出がちなわたしですが短時間なら大丈夫だった、VR。面白いよねえ、このVRの試乗体験で「SAKURA」購入した人いるからねえ。すごい時代だ。

そして試乗して全体の感想なんですが、加速がちょっと違う感じの味わいで面白いし、これに慣れると後戻りできないなあ、ということ。あと、低重心が素人のわたしでも体感としてわかること。だからコーナリングやクルマを操るという部分でいちいち快感があるんですよ。なるほどなあ、これいいなあ。引き換え、という言い方は良くないかもしれないけれどエキゾーストノートと引き換えにこのハンドリングと加速か、と思っちゃうわけです。とっかえっこする意義、あるよこれ。

 

色々とお話を聞きましたが、とにかくうれしかったのが、電動化、カーボンニュートラルというメインテーマを持ちながら、日産は楽しい走り、スポーツマインドを忘れていなかったこと。心からホッとしました。これはクルマ好きな人々には声を大にして伝えておかねばと思います。「電気の走りの虜にしたい!」って泣かせるよなあ。

一般コンシューマーが販売先のメインなわけで、スポーツカーやクルマオタク的なカスタマーはマスでいえば小さいですが、こういう時代、そういうカスタマーこそ声が大きいのでそちらももれずに大事にしてあげることを忘れちゃダメです。フェアレディZとスカイラインを応援してくれた人たちを、ルマンで熱狂しくれた人を捨て置いちゃいかん。わたしです。

強く感じたのは、動力に電気を使うクルマはやはり乗らないと面白さがわからないということ。電気自動車を面白くないクルマと取られてしまったら、日本の経済や政策にまで影響が出ると思うんです。今の段階はとにかく少しでも多くの人に実際体験をしてもらうことを数打っていかねばいけない時期なんじゃないかな。あとは本当に何があるかわからない時代になったので内燃機関の研究や技術の温存も忘れないでほしいと思います。インフラってのは1本にした途端に崩れたりするもんです。オール家電とかね。

 

その二つがあったからこそ今回の試乗も価値あるものだったと思うのです。

最後にね、「電気のクルマ、意外と一瞬で慣れちゃうよ。」という話し。電気自動車を降りてガソリン車に乗ると切ないのよ。えらく古くさく感じちゃって。これ、本当に感じました。

とはいえそういう中、Zも残してくれる日産には心意気を感じます。

 

まあともかく電気自動車一瞬で慣れちゃうよ、とか書いちゃった自分がニクイ、オモシロイ、クルマダイスキ!